漫画家・赤星たみこの日記です。 

by akaboshi_tamiko

高校生の前で話すということ

04/12/10/金曜
先月、母校の延岡西高当学校で講演をした。
タイトルは「夢と勇気で未来へはばたけ!」という、ちょっと、、、いや、かなりクサイもの。
まあ、漫画家という特殊な職業だし、そういう特殊な職業につくにはどうしたらいいのか、というノウハウも含めていろんな話をした。

話をする前に、私はすごく緊張して、いったいどうなることだろうと心配だった。
だって、私自身が高校生だったころのことを考えると、大人の人の話を聞くなんて、全然興味が持てなかったし、大人の話って嫌いだったから。

私と同じような高校生ばかりだったらイヤだなあと思って心配だった。超心配だったよ~~~;;

そして、話をしてみたら、うつむいて寝てるのかな? と思えるような子もいたし、スカートの下でアグラをかいて、足が丸見えの子もいたし、漫画家になりたい人はいますか? という質問に誰も手を上げないし、あと、セーラー服の歴史の話になったとき、「セーラー服の襟をちょっと立ててみてください、ちょっと驚くことがおきますよ」と言っても、誰一人襟を立ててくれなかったし・・・。

ああ、やっぱり高校生は私のような人の話なんか聞く気がないんだなあ、とかなりがっくりした。ざわついていないだけでもいいかな、でも、きっと誰の心にものこらないんだろうなあ、と思って、かなり落胆しながら帰ってきたのだ。

しかし、昨日、全校生徒の感想文が送られてきたのだが、それを読んでびっくり!!

今までの中で一番面白かった、最後まで眠くならず面白く聞けた、とても参考になった、●●と▲▲の話が面白かった(と、すごく具体的な指摘)とか、セーラー服にそんな歴史があったとは、驚きです、どんなものにも歴史があるんだなあと思いました、とか、おせじを差し引いたとしても、かなりの大絶賛!!

あなたたち、あれは面白かったという態度だったのね!!?? 私にはわからなかったけど、あれは「楽しんでいた態度」だったのね!!

そうか~~~。私のやる講演は、ほとんどがおばさん相手。30代~60代のおばさんがメイン。そうすると、おばさんたちってものすごく感情表現が豊かなんだな。ちょっとした冗談やダジャレでも大きな声で明るく笑ってくれるし、何か言うと「ほ~~~~」とか「へぇぇぇぇ~~~」とか歓声がもれるし。

そういう豊かな感情表現を、そういえば私も高校生のころは『ダサい』って思っていたような記憶があるなぁ・・・。

そして、私自身も高校生のころは、「ちゃんと聞いていれば、正座してなくても胡坐かいていてもいいじゃん。大切なのはちゃんと聞くことなんだから、姿勢は関係ないでしょ」と思うような子供だったよ。

大人が「ちゃんとした姿勢で話を聞きなさい」と言うたびに、「見た目じゃないよ、心からちゃんと聞いていればどんな姿勢だって関係ないでしょ」と思っていたよ、確かに。

でも、実際に私が話をしているとき、胡坐をかいている女子を見ると、うーん、子供のころ、なぜ大人が「ちゃんとした姿勢で話を聞きなさい」と言ったか、わかる。ええ、わかりますとも、この年になって。実際にやられてみて。

でもね、おそらくその子も、私の話をちゃんと聞いてくれたんだな。
何年何組と名前がかいてあって、多分、全校生徒のあのあたりに座っていた子はこの感想文だろうな、と思うものがあって、それも、私が話したことをしっかりきちんと理解してくれた感想文になっていたから。

姿勢は確かに関係ない。
でも、姿勢よく、いい態度で聞いてくれたほうが、私はうれしい。私だけじゃないよね、講演する人はみんな、聞いてくれたらうれしいけど、だるい姿勢でちゃんと聞いてくれるより、ちゃんとした姿勢でちゃんと聞いてくれたほうが、話しやすいし、話していてうれしいんだ、ということが自分で納得できたよ。

ちゃんとした姿勢で聞きなさい、というのは、それを強制するだけじゃ、高校生には伝わらないんだろうなあ。
ちゃんとした姿勢で聞いたほうが、話す人もうれしくなるんだよ、そのほうが楽しく話ができるんだよ、ちゃんとした姿勢をとるのは、あなたのためではなく、講演者を喜ばせるためでもあるんだよ、それが思いやりってものなんだよ。

思いやりって、どうやって出していいかわからなかったけど、それは、ちゃんとした礼儀をちゃんと実行するだけでも思いやりになるんだなあ・・・。

でも、寒い体育館で、冷たい床にじかに座らせるのって、やっぱつらいよね。胡坐もかきたくなるよね。(私が高校生なら、ぜったいやってたね)
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by akaboshi_tamiko | 2004-12-10 22:43 | つれづれ日記 | Comments(0)