漫画家・赤星たみこの日記です。 

by akaboshi_tamiko

「逃げる幻」読みました

ちょっと評判がよかったので読んでみました。
ヘレン・マクロイの「逃げる幻」
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途中まですごく面白く読んだんだけど・・・

タイトルでオチが見え見え・・・。
まさか、こういうオチじゃないよね? と思った通りのオチでした。

原題は The one that got away で、素直に訳すと、「逃げる人」。こっちのほうがまだオチがばれないかも。ただ、逃げる人、だったら私は買わなかったかもしれないなあ・・・。
いや、でも、逃げる幻じゃ、、、、オチ見え見え。
188ページの、ネス卿の言葉で、ああ、、、丸わかり。

そして、主人公のピーター・ダンパー。これがまた、非常に優秀な精神分析医だというのに、、、、医学も修めたというのに、V I R を知らなかったなんて。医学というか、理系の人ならわかるはずの V I R・・・
(理系が極端に苦手な私ですら、VIRって、アレのことじゃなかったっけ?と、薄ぼんやりと覚えていたのに・・・)

いや、まあ、ちょっとピーター・ダンバーにもスゴイところがあって、この人物分析能力は、さすがに精神分析医だけあって詳細で緻密!! 
なにより、語学センスがすごい。かすかなアメリカ訛りや、フランス訛り、ドイツ訛り、スコットランド訛りを聞き分け、ケルト語にも精通している。
(なのに、VIRがわからんとは!!)

だけど、伏線がきっちり入っていて、この流れはこの伏線から導かれるな、というのがきっちりわかる作り。アマゾンのレビューとか読むと、小説の作りがうまい!という意見もあって、確かにこういうのを、匠の技、と言うのかも。

この本が初めて刊行されたのが1945年。本の時代設定が第二次世界大戦終結直後、となっている。

作者のヘレン・マクロイは、アメリカ在住。当時のアメリカで、ナチズムやファシズムを強烈に批判し、反対姿勢を表明するのは、作者の正義感や反戦の心意気を感じる。
そうか、こういう人物も戦争の犠牲者なんだ! と、戦争の悲惨さが伝わってくる。

あれ、なんだ、意外に読み込んでるじゃないか、私。
やっぱりなんだかんだいって面白かったのかな? トリックはちょっとがっかりするほど期待外れだったけど、そういう密室殺人とか、そんなところじゃなくて、戦争がどんなふうに人を変えるのか、変えさせられるのか、そんなところを読むと面白いと思います。

おススメです!(って、あんまり勧めているようには見えないかもしれないけど)
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by akaboshi_tamiko | 2015-02-20 02:50 | 読んだ観た聴いた | Trackback | Comments(0)
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