マイル、ポンド、どう訳す?
『○○の家から3マイル(1マイルは約1.6km)離れた所に△△があった。』
ところが、最近の翻訳小説ではマイルがキロに変換されていることが多い。
『○○の家から5キロはなれたところに△△があった』とか、ね。
3マイルは約4.8キロなので、「5キロ弱」と書かれている場合も多い。実際に「5キロ弱」なんて、ちょっと面倒な書き方の本を読むと、ああ、きっと原文では3マイルなんだろうなあ、なんて推測する。
「16キロはなれたところ」という風に書いてあるときは、「これ、きっと原文は『10マイル』に違いない!」なんて思う。
というか、英語圏ではマイル表記が多いんだけどね。
カナダではメートル法になったけど、今もマイルでしか言わない、と以前聞いたことがあるけど、どうなっているんだろう?
日本語で「16キロはなれたところ」と言うと、ものすごく正確な言い方に聞こえる。正確な距離を知らない場合は、だいたい10キロ、だいたい20キロ、という風に、10単位で端折るのが普通。
英語圏で10マイル、というのは、大体それくらい、を指しているはずだ。
でも16キロ、というと、なんだかものすごくきっちり測って言ってるような感じがする。
『AはBより身長が8センチほど高い』と翻訳してあるのを見ると、原文はきっと3インチなのかな、なんて思う。( 実際は、3インチは約7.5センチなので、8センチほど、と「ほど」を入れて、8センチきっちりじゃありませんよ、と表現することもあるようだ。7.5センチ違う、と書くと、ほんとにきっちり測った感が出ちゃうしね)
子どもの頃読んだ翻訳モノだと「3インチ(1インチは約2.5センチ)高い」と書いてあった。
私はこういう翻訳ものでマイルやフィート、インチがどれくらいの長さなのかを知ったのに。
重さの単位、ポンドもいちいちメートル法に則って訳さなくても、『肉を10ポンド(1ポンドは約0.45キロ)買って来て、と頼んだ』とか、そんな風に書いてあったんだけどなあ。
ここ数年、、、いや、十年以上かな、翻訳モノでは「肉を4.5キロ買って来て、と頼んだ」と書いてある。4.5キロの肉って、なんだかすごく正確。そんなきっちり頼まなくても、、、。
と、ここ十年くらい、、いやもっと前からかな、ポンド・ヤード法の表記が全部メートル法になっていることが多いのを、私はとても残念に思っていた。
原文がポンド・ヤード法の表記なら、注釈つけてそのまま書けばいいのに…。
ところが、この連休中に創元推理文庫から出ている「ゴミと罰」浅羽莢子訳を読んだら、なつかしの「1マイル」「ポンド」で書いてあるではないか。ホント、懐かしい! って感じ。
でも、1マイルは約1.6キロ、という注釈はついてなかった。
マイル表記をするなら、最初に出てくるところだけでも注釈を付けてあげるほうが親切なのになあ、なんて思いつつ読んだのだが、創元推理文庫を読む人たちは、そもそもそれくらい知っているだろう、というのが出版社側の読みなのかもしれない。

なかには、日本語の表現としてはずいぶん妙な訳を見つけることがあります。
習慣の違い、と言ってしまえばそれまでなんでしょうが・・・
やはり原文で読まないとダメなのかなー。
でも日本語しか読めないし・・・

それから、時代劇喪、メートル法じゃなくて、尺貫法の方がぴったりしますよね。
これって、翻訳本だけの問題じゃあないですね。
私もクッキングママシリーズ好きです! あれでオンスとか知りました。香水もオンスが使われているみたいだけど、それだと全然覚えられないのに、食べ物だと覚えられるんですよね~。
時代劇で、会話の中にもしメートル法が出てきたらがっかりしますよね。
ミクシーでも同じ日記を公開しているんですが、あちらで付いたレスに、「16キロなら4里と書くべきだ~~ 」なんてコメントがありました(*^_^*)
でも、尺貫法もポンド・ヤード法も、体の長さが基準になっているので、似ているんですよね。1尺と1フィートがほとんど同じ。ただ日本では10分の1を1寸にした(10進法)のに対して、ポンド・ヤード法では1フィートの12分の1を1インチにしたのでややこしいんですが。

32型のテレビというと、画面の対角線の長さが32インチ(1インチ=約25.4ミリ)あるってことですね。
尺貫法を上手いことごまかしてるのが植木鉢。
7号の植木鉢というと、直径が7寸(1寸=約3.03センチ)
メートル法を採用するのは良いんですが、それに伴って尺貫法を商取引に使用すると罰金が取られるというのが、日本の悪法。
(今は、目をつぶるという形で、併用は見逃されてますが)
アメリカなんかは、いまだにメートル法なんか気にもしてないのが現状なのに、それに文句を言う様子もない日本は、長い巻き尺には巻かれろってことですかね(-_-#)?
日本の伝統文化は、尺寸でいってもいっこうに構わないと思うんですが…。

ホント、尺貫法を使うと罰金、ってのが悪法ですよね。今はさすがに罰金取ることはしてないみたいですが、最初にメートル法を導入したときは罰金取ってでも世界基準にしよう、と思ったのでしょうね。
着物業界や建具屋さんなんかで尺貫法は生き延びていますが、これがすたれるといやだなあ。
植木鉢の号数は知らなかったです~。そういうところで生き延びているんですね。
ふふふ。それか~。読む気にならなかったけど、ますます読む気が起きないわ。