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加藤和彦さん

音楽プロデューサーの加藤和彦さんが亡くなりました。
自殺だったということです。うつ病だったというニュースもあったとか。
音楽関係者に、「もう音楽でやりたいことが無くなった」ということをもらしていた、ということも聞きました。

中高年の男性がうつ病で自殺するのを見ると、夫は「更年期だったんじゃないかなあ」といつも言います。

それは、夫自身が、数年前にものすごい落ち込みを経験し、それを更年期の治療で治した経験があるからです。

もともと夫は、私が外科的更年期で気持ちが荒れたり、落ち込んでいるのを見て、更年期に人がどれだけ落ち込むかを知っていました。そして、私が漢方薬で症状が激変したのを見て、「更年期はこういうことをすればこんなにもよくなるのだ」ということを知ったのです。

その後、今度は夫の性格が変わったり、体調が悪くなってきました。それを見た私が、「それは男性更年期だ、治療したほうがいいよ」と、病院に行くことを勧めたのです。
普通、男性はそういうことを言われると病院に行くのをためらうらしいのですが、私が更年期の治療を受けてよくなったのを知っていたからでしょう、すぐに病院へ行くようになりました。

更年期の治療のために男性ホルモン補充療法を受けていた夫ですが、二年ほど前にものすごい落ち込みがきたそうです。そのときは詳しくは言わなかったけれど、今、告白してくれたところによると、落ち込みがひどくて、死にたいと思うことも多々あったとか。

でも、私が良くなったのを知っていた夫は、先生に相談し、ホルモン補充療法に加えて漢方薬も処方されました。それで気持ちが激変したのです。

「あのときの落ち込みを考えると、普通はうつ病と診断されると思う。でも更年期の治療で良くなったんだよ。中高年が落ち込んだら、うつ病の治療する前に、更年期の治療を受けてみるといいのになあ」と、夫はいつも言っていました。
そして、今回の加藤和彦さんのニュースを聞き、「更年期だったんじゃないかなあ」とポツリともらしました。
もちろん、われわれは医療に関しては素人で、正確な診断ではなく、単なる印象ですが、更年期のうつ症状を体験した身としては、可能性はあると思っています。

私も、卵巣摘出手術のあと、ものすごく落ち込んだとき、「落ち込んでいる」ということにすら気づかず、とにかく何もやる気が起きない、生きていても仕方ない、という思いに取り憑かれていました。
これが更年期の治療で漢方薬を飲んで乗り越えられたわけです。

中高年の自殺の報を聞くたびに、「これがもし更年期のうつ症状だったら…。適切な治療をしていれば亡くならずにすんだのではないか…」という思いが消えません。

何でもかんでも更年期のせいにするわけではないけれど、ホルモンは自分が思っている以上に精神状態を左右します。
感情が乱れると、家庭不和も引き起こします。

更年期は誰にでも訪れます。ホルモンのバランスが乱れ、閉経する時期ですから、必ず来ます。でも、そのときの不調が、軽いのか重いのかは人それぞれ。男性にだって閉経にあわせて「閉精」という言葉を提唱する人もいるくらいです。男性にも更年期はちゃんと来ます。
そこをどう乗り越えるかが問題です。

そんな体験を本にしました。私と夫の体験が、たくさんの人の役に立つかもしれません。
ホルモンを侮らず、適切に付き合うことで、家庭不和も回避できるかもしれません。

よかったら是非読んでみてください。中高年の悲劇が、少しでも減るかも…。そのお手伝いができるかも…。そんなことを思いながら書いた本です。
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最後になりましたが、加藤和彦さんのご冥福をお祈りいたします。
Commented by syo-kunin at 2009-10-19 06:25
赤星先生、こんにちわ。。。

トノバンの自殺には、本当にビックリしました・・・
番長も中学時代、友達3人が同時期に自殺をしてしまい、
かなり落ち込みました・・・

加藤さん・・・悲し過ぎますね・・・
ご冥福をただただ・・お祈りいたします。。。
Commented at 2009-10-20 12:46
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by akaboshi_tamiko at 2009-10-20 12:53
★番長さん
デビュー当時からずっと好きだった加藤和彦さん。オシャレでかっこよくて、サディスティックミカバンドのときは本当に衝撃的でした。

夫の体験や私自身の落ち込み具合を考えると、うつ病と間違えられても仕方が無いくらいの状況です。ご本人も、友人の北山修さんには相談できなかったのかもしれません。北山修さんも精神科医だと、「なぜわかってやれなかったのか」と自分を責めるかもしれないけれど、更年期のうつ状態と、うつ病の違いをよく知っている人はそう多くないような気がします。分野が違うし…。

私の本で、多くの人に、更年期でこんなにうつになるんだ、と言うことを知ってもらいたいと思っています。私は本を売って生活していますが、これは緊急を要するので、図書館でも、回し読みでもいいから、知ってもらいたいです。
Commented by まつぼっくり at 2009-10-21 21:07 x
不謹慎ですが、「修ちゃん」ファンの私は、出棺の時に「白髪の修ちゃん」を見て、ちょっぴりうれしかったです。

銀座で「坂崎・加藤」のコンビを山野楽器で見たのが最後です。

ホントニ・ホントニ大好きなグループでした。
なぜだか、発禁になった「イムジン河」のデモテープを大学の時に主人を聞きました。 合掌
Commented by akaboshi_tamiko at 2009-10-22 17:38
★まつぼっくりさん
フォーク・クルセイダース、私も好きでした。サディスティック・ミカバンドも、加藤和彦ソロになってからも、好きだったなあ。
キヨシローも亡くなったばっかりだったのに、加藤和彦まで…。淋しいです。
Commented by くまくま at 2009-10-30 10:39 x
男性の更年期障害は漫画家の、はらたいらで広く一般的に知られたような気がする。。。
自分の身の回りでも圧倒的に男性の自殺が多く理由は健康・経済(両方のケースも)が主だったとか。
本人も苦しかったと思うが残された人も苦しくなるのを見ると死ぬ勇気も減る事もあるかも思ってしまうのだが。。。
Commented by akaboshi_tamiko at 2009-10-31 19:59
★くまくまさん
はらたいらさんの果たした影響は大きかったですね。
それでも、まだまだ知られていなくて、更年期は女性だけのもの、と思っている人が多いようです。男性もあるのだ、哺乳類なら当然のことなのだ、ということをもっと知ってもらえれば、悲劇が少しでも減っていくのではないかと思います。
by akaboshi_tamiko | 2009-10-19 00:51 | 更年期 | Trackback | Comments(7)