ATOKの敬語チェック能力
というニュースを読んだ。
ニュースによると、ATOKでは敬語の間違いを注意してくれる機能がついているそうだ。
さらにうれしいのが、敬語の正しい使い方を提示してくれることだ。たとえば、「お求めやすい」を入力した場合に「お求めになりやすい」、「社長がお食べになった」を「社長がお召し上がりになった」と注意を促してくれる。
「お求めやすい」が「お求めになりやすい」というのはなんとなくわかるのだけど、「社長がお食べになった」が「社長がお召し上がりになった」って、なんだか違和感がある。
「お召し上がりになる」は二重敬語なんだけどな、と思う。
「社長が召し上がった」を出してくれたらATOKすごい、と思うんだけど、なんでそれではダメなのか?
で、ちょっと検索してみると
【「お召し上がりになる」は、「習慣として定着している二重敬語」と位置づけています。】
だって。
いったい、いつ、誰がそんなことを定着させたのか、というと、「敬語の指針」(文化審議会答申)だそうだ。
そこが出している「習慣として定着している二重敬語」の他の例を見ると…
・(尊敬語) お見えになる
・(謙譲語Ⅰ)お伺いする,お伺いいたす,お伺い申し上げる
という例が出ていた。
うーん、そうか、私も「お見えになる」は使うなあ。本来は「●●様が見えました」なんだろうけど、「●●様がお見えになりました」って、言っちゃうしな~。
なんでだろう? と思ったら、これは「●●様が見えました」だと、「ここに来た」という意味ではなく、「姿が(遠くに)見えた」という意味にも取れるから「お見えになる」で無意識に区別していたような気がする。
「お伺いする」も「それでは○日にお伺いします」って言うときあるなあ。ときどき「○日にお伺いいたします」って言うこともあった。そうか、二重敬語、私も無自覚に使っていたのね…。
でも、本当は「○日に伺います」と言うほうがスッキリして好きだから、今度から意識してこっちのスッキリ敬語を使おうと思う。 定着しているからと言って二重敬語を使うのは、なんとなく気持ちがスカッとしないから。
かといって、他の人が使っていても別に気にしないからご安心を。私の中の、私だけのこだわりだから。
これって、ゴミの分別に似ている。
私の住んでいる市では、プラスチックの容器はリサイクルされる不燃物の袋に入れるのだが、食品で汚れているものは可燃物に入れてもいいことになっている。
でも、食品のついたプラスチック容器を、「許可されているからと言って可燃物に入れるのは気持ちがスカッとしないから、洗ってリサイクルの袋に入れる」のだ。でも、これは私の中のプチこだわりで、他の人には強制してないから、ご安心を。
上記の二重敬語の話に、似てるでしょ? え、どーでもいいって?
はい、どーでもいい例でした。すまん。
させていただきます、って、私も好きじゃないわー。
自治体の刊行物だと、使っちゃイカン、というチェックが入るところもあるよ。それもなんだか国語審議会におもねってる感じがしてちょっといやだけど。