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ドガに対して何を言うのだ!!

昨日の日記に、夫が大笑い。「おまえ、ドガクラスに『パースがあってる』なんて、どんだけ上からなんだよ」と。
そりゃそうだ。ドガという天才に対して「パースあってますね!」って、失礼にもほどがある!

でもね、ホント、どんだけ上からか、どんだけ失礼かを承知の上で、「パースあってる~~」って言いたかったんだよー。だって漫画家はパースのあった絵を描くのに苦労しているんだから。

あれだけの大きさの画面に、あれだけの人数の人体を描いて、それの全部にちゃんとパースがあっている。それがどれだけ大変か、漫画家ならよ~~~くわかる。自分のクラスや実力はおいといて、あの画面にあのパース、あの人数、の大変さに感嘆したっていいじゃん。ホント、率直な感想なのだ。

そのほかにも率直な感想を。

ドガ展にはデッサンや習作もたくさん出展されていた。
それを見て、私はちょっと……、なんと言うか、いろいろ触発されることがあったのだった…。

一番大きな感想は、「ドガ、練習してる~」だ。(当たり前なんだけど)
女性のドレスの裾、手、靴などのデッサンやクロッキーや習作。
やっぱりドレスの襞やシワって、難しい。ドガ、あれだけの天才、巨匠なのに、練習している!(いや、私が言うことじゃないんだけど)
ドガに対して何を言うのだ!!_b0019674_1282234.jpg

こういう「練習」を見て、「私も練習しないとイカン!!」と思ったのだ。
(この辺が、また、同じレベルで語るな、ということだが)
巨匠が練習しているのに、凡人が練習しないでどうする!!

私はこのところ、手が描けないんだったら手が出てこない構図にしようとか、わかりやすいアングルにしようとか、あえて難しい絵は描かない、という選択をしてきた・・・・・・。という反省点がある。

手を突き出している、手がこちら側に出ている、という絵は難しい。
ドガに対して何を言うのだ!!_b0019674_1285955.jpg

親指がこちらに向いているところが上手く描けない。こんな角度はいつも避けていた。

横から見る絵にすればわかりやすいから、そっちを描いていた。
横から見た手なら手に何を持っているかよくわかる。前に突き出さなくてもいいのだ。

でも、避けてばかりじゃイカン。

ドガの習作には婦人靴のデッサンもあった。
そうか、巨匠も靴を描くのは大変だったんだな。私の漫画はバストショットが多い。全身を入れて描くより、顔の表情を見せるほうが大事だから、と足元を描くことが少ない。全身を描くにはページ数が足りない、とか、いろんな言い訳をしていたけれど。

でも、言い訳はいいから、練習しろよ。
ドガに対して何を言うのだ!!_b0019674_1292510.jpg

な~んて、いろいろな練習をちょいとしてみた。

なんだか、漫画家になりたての頃の、いつも練習していた頃の、あの情熱というかね、意気込みが、少し戻ってきたような、そんな高揚感もある。

ドガの習作を見て、初心が少し戻ってきた。美術展を見に行くときは、完成した名画だけを見るより、習作を見ると私は高揚する。巨匠、天才の努力のあとを見るのは、やっぱりいいものだな、と思う。
Commented by ぴゅあ at 2011-01-05 08:04 x
全くレベルの違う話ですが、高校生の娘と先日ミュシャの絵を見てきました。同じ美術館にこの娘を小6の時にも連れて行ってるのですが、今回はデッサンを興味深げに見ていたのですが、きっとたみこ先生と同じようなことを考えていたのだろうと思いました。娘もヘタですが漫研に入っていて絵を描くのが好きなので。
Commented by akaboshi_tamiko at 2011-01-06 00:08
★ぴゅあさん
ミクシーのほうでも同じ日記をアップしているのですが、そちらにも「自分が美術教師だったら絶対生徒にこのデッサンを見せたい」というコメントがありました。
ホント、巨匠もこうやって努力しているんですよねー。
衣服のシワに対する熱意がすごいです! 私も衣服のシワやひだを正確に描きたいです!
by akaboshi_tamiko | 2011-01-04 23:55 | アート系 | Trackback | Comments(2)