ホキ美術館
その代わりに、近所の美術館に行ってみた。
ホキ美術館だ。http://www.hoki-museum.jp/top.html
うちから車で30~40分くらい。
日本初の写実絵画専門美術館、ということで、写実的な絵が収蔵されている。

小さな個人美術館で、巨匠から若手まで約40作家300点の写実絵画を所蔵しているとのこと。
開館が2010年で、まだ本当に新しい美術館だ。
去年、テレビで紹介されたのを見て、行きたいと思っていたのだった。

収蔵作品はすべて写実的だけど、70年代に流行ったエアブラシを使ったスーパーリアリズムとは違う。目を凝らしてみると筆のタッチがわかる。
いや~、観客の皆さん、誰もがみんな画面に顔を近づけてじっくり見ていた。絵の前で話しをしている人たち、普通の展覧会とちょっと違って、圧倒的に技法の話をしている人が多い。それも楽しそうに!
抽象画と違って、そこに何が描いてあるのか、見ただけでわかる。しかもそれが写真よりリアルだったりする。すると、例えば葡萄が描かれていれば「この葡萄、どうやって描いたんだろう?」「すごいねえ!」「本物みたい!」というような、素直な驚きが聞こえてくる。
と思うと、もっと玄人臭い「古典技法」「おつゆ描き」「ハイライト技法」という言葉も聞こえてくる。
なぜこんなに声が聞こえるのかというと、この美術館は床がゴム素材で、音がしないのだ!しかも柔らかくて疲れない!
(三菱1号館美術館と大違い!
http://www.mimt.jp/index.html ←ここは床が固くてカツカツすごい音がする)
建築家と館長の心意気がいたるところに見える美術館だと思う。
(いや、どの美術館も建築家は自分の心意気を出すものだけど)
内部は撮影禁止なので、撮れるところだけ撮影してみた。
駐車場から緩やかな傾斜をつけたアプローチ。

これは車椅子もラクに押せる。
アプローチの片側に林立する金属のパイプ。

小学生くらいの男の子が「これ何?ねー、これなーにー?」と聞いていたけれど、彼の親御さんは何も答えなかった。
私だったらなんと答えるだろう?
私だったら、まず、実も蓋も無く、「飾りだよ」と言うかな。だって、これは装飾だから。
まあ、その飾り、私には竹林のような、葦の茎のような、植物のように見えたけれど。その辺はみんな自由に感じればいいことで。
エントランス。

壁の丸いリングの装飾。この丸のモチーフは、美術館内部にいろいろ使われている。

これはトイレの天井の照明。丸の連なり、丸の繋がりのデザイン。
トイレの洗面台。

人造大理石の手洗いボウルが二つ。このボウル、洗面台と一体になっていて、これは掃除がしやすい! つなぎ目のところってどうしても汚れや水垢が溜まるし。…って、建築家はこういうのってデザインで選ぶのだろうけど、主婦目線だと「掃除のしやすさで選んだのね~」となってしまう。
でも、これ、ホント掃除しやすいと思う。いいなあ。