読みにくいときは、減らすといい
これらの冊子を、わかりやすく、多くの人に見てもらうにはどうしたらいいかを考えている。
そういう仕事なのだ。
読みにくさの原因の一つは、とにかくどれを見ても、字が小さい。ぎっしり文字が詰まっている。それだけでなく、美しい写真の中に目立たないように薄い色の文字が入っていたりする。デザイン優先だ。
でも、見やすくなければデザインではない、と思う。
文字数が多くなっている原因は、何から何まで全部説明しようとしているから。詰め込みすぎ。詰め込みすぎはかえってわかりにくい。
「ジェロントロジー」という言葉の入った文章があって、元はこうだった。
『ジェロントロジーとは、老化に伴う身体的機能にのみとらわれることなく個々の心理的機能、社会制度や地域環境など、エイジングを包括的に理解することを通じて、年齢は状態にかかわらず個人の生きがいを創出するとともに、その生きがいが尊重され活用される社会作りを提言する学問です。』
私ならこう書く。
『ジェロントロジーとは、高齢化によって起こるさまざまな問題を解決するための学問です。』
こっちのほうがわかりやすいと思うのだけど・・・。

『ジェロントロジーとは、高齢化社会における問題を考える学問です。』
これで、大まかなイメージは伝わるかな(^^?
(「解決」ではなくて「提言」までのようなので…)
もっと細かく知りたいひとのためには元の文章が必要でしょうけど、そこから先は興味のある人が読み進めばいいことですもんね(^^)。

判りやすくしようとして言葉を多くして却って判りにくくしちゃうんですよね…
判ってる人が判らない人に説明しようとして陥りやすいところな気がします… 私も気を付けよう…;;


情報量や内容は、どんな人が読むのか、によって変えないといけないんです。読み手に負担をかけちゃダメなんです。専門家対象だったら専門用語の羅列でもOKですが、一般ピープル向けには、一般ピープルがわかる言葉を使わないと。もちろん、前提知識も限りなく問わないわけですから、そのあたりも考えないといけません。
内容以外にも気を使うところはたくさんあります。年配の方対象だったら、文字を大きめに、フォントを読みやすいものに、そして色のコントラストをはっきりと。
以上、皆さんに伝わっていますでしょうか?
★黒豆さん
そうなんですよ~~。役所の文書とか論文って、あいまいさを排除しようとか、少数の例外も考えると「~~など」と書かねばならないとか、ホント、長ったらしくなりますよね。困りますわ~~。
★ohta2000さん
わかりやすくしよう、という気持ちが裏目に出てしまうって、ホント私もよくあります。気をつけねば・・・。
★よーぶーさん
あはは、そうそう! 翻訳機のヘンな日本語みたいな文章、役所関連書類ではよく出てきます。エコ関連の書類は、特に多いような気がします・・・。PCでチャチャッといじって出来るものと、デザイナーがキチンと作るものって、根本的に違いますよね。
★すずむしさん
そうなんですよ! 専門誌に専門用語が並んでいても、それはOKですよね。でも、専門家以外の人に読んでもらうためには、情報量を減らして、吟味して、伝えたいことをバシッと一言で表現するほうがいいと思います。
文字の大きさ、色、書体、コントラスト。これも大事ですよね。老眼の人にどう見えているか、老眼の私が伝えねば! 若い人もいつかは老眼になるんだし・・・。