電車で席を譲ると
相手は私よりちょっと年上かな、という程度の人だったが、私はあと少しで降りるし、私の前に立ったので、「どうぞ」と言って譲ったのだった。
そうしたら、相手がものすごくびっくりして、目を丸くして驚いていた。
あの驚き方は、多分私のことを「自分より年上の人」だと思ったのかもしれない。自分より年上から席を譲られるなんて! というような驚きに見えた。がっくり。
さて、今日は立川へ取材だった。この取材は毎回着物で行っている。エココチ(エコで心地いい)がテーマなので、エコな衣服、キモノで取材と言うことになっているのだ。
総武線のシートに座ると、隣にいるのは若い男の子で携帯でずーっとゲームをしていた。私は前日2時間しか寝ていなくて、ちょいとうとうとしたりしていた。
千葉を過ぎた頃、70代くらいの杖をついた女性が入って来て私の斜め前に立った。どうしよう、杖をついている人だ、席を譲らないと悪いよなー、でも私も疲れてるし、隣の男の子が立って譲ればいいのに、と思ったら、その子はすやすやと寝ていやがる。
んもう、仕方ないなあ…と思って席を立ったのだ。その女性はすごく嬉しそうに、「すみませんね、ありがとうございます」と何度もお辞儀をして席についた。
驚かれるのもちょっとガックリくるけれど、こんなに喜ばれるのも、「あなたのような年格好の人に譲られるのは考えてませんでした、本当に嬉しいです」というような喜びに見えて、これもなんだかちょいとガックリ。
ま、今日はキモノだしね。キモノの人に席を譲られると、「あら、お着物なのにすみませんねえ」と、通常より感謝の気持ちが強くなるかもしれない。私のことを老人だと思って感謝してくれたのではない、と思いたい。
で、この話にはまだ続きがあって、例の、眠っていた男の子がすぐに立って私に席を譲ってくれたのだ!
「あら、いいの? ありがとう」と言って彼がいた席にすぐ座った。いや~、睡眠時間2時間の身としては、ありがたい。
ありがたいけど、ふと疑問が。
これは、「本来ならこの杖のおばあちゃんにはオレが席を譲るべきところだったのに、オレより年上の女性を立たせるわけにはいかん」と思って譲ってくれたのか。
それとも、私のことを単に「この人もおばあちゃんだから譲らなきゃ」と思ったのか。彼が席を譲ってくれた理由が判然としないのだ…。
前者であることを希望する。
ああ、でも、キモノの人だから譲ってくれたのかも!(キモノで外出したら、入口で「どうぞ」と言われたり、何かと親切にされることもあるのでね)
しかし、どんな理由にしろ、電車で席を譲られた、という事実は変わらない。
そんな年になったのね、としみじみするより、キモノのせいだ、ということにしておこう。
女って、若く見えるか老けて見えるか、ということを、やっぱりすごく気にするんだなぁ・・・。(って、「女全般」というより、私が、ということか)


赤星先生 真冬にキモノで お出かけされる時には、足元の防寒対策 どうされてますか?
きっと彼は私に先を越された、と思ったのでしょうね。と、わかっちゃいるけど、睡眠時間2時間で、出がけにチラリと見た鏡の中の自分の老け顔に、「やっぱ私が老けてるから!?」と過剰反応してしまうのでした。
ちゃんと寝なくちゃ!
★イルカたんさん
着物での足元の防寒対策、日記に書きますわ! お待ちくださいね!

決して少なくありません。
むしろ お年寄りの一歩手前(勿論赤星先生はそのまだまだ手前)の
年代の方々が一番 厚かましい人が多いです。
相手の年齢だけでなく 色々な状況(着物、ヒール、顔色)まで
見て譲る人はいいですよね。
確かに、最近の若い人はけっこう席を譲ってますね! お年寄りの一歩手前の人って、人によって体力バラバラだから、譲って欲しい人、立っててもOKな人、いろいろで、一番対処に困る年代かも。私も体力充実しているときは「譲ろう!」と思うし、疲れているときは「譲ってくれよ~」と思うし。
相手の状況を見て、譲る人はホントいいですよね!