洗濯の説明は難しい
こんなことがあった。
洗濯物が臭うのは、皮脂汚れが落ちきれていないから。
「きちんと汚れを落すためには、衣類を入れる前に洗剤をよく溶かしてから洗濯してください。」
と書いたら、「衣類を入れる前に洗剤を溶かすって、どうやればいいんですか?」という質問が来た。
衣類を入れる前に洗剤を(洗濯槽で)溶かす、ということが、なぜわからないのだろう? と思ったのだが、この「洗濯槽で」というところがわからないのかも!と思い当たった。
全自動洗濯機の中へ衣類をポイポイ入れて、ある程度溜まったら洗剤を投入し、スイッチポン、という洗濯しかやったことの無い人には、洗濯槽で洗剤だけ溶かす、ということがどういうことなのかイメージできないのだと思う。
質問した人は、もしかしたらバケツなどで溶かして入れると思ったのかもしれない。
こちらとしては、この文章の前後に「5~10分攪拌」という一文があるので、「時間設定のついている洗濯機で攪拌するコトに決まっている」という思いがあるのだが、それは書かないとわからないことだ。
こんなこと、なぜわからないのだろう、なんて思ってはいけない。
この質問、けっこう多いのだ。
一人だけならその人の理解力の問題だけど、同じ質問が多いということは、こちらの説明不足なのだ。
というわけで丁寧に書いたものがこれ。↓
「まず、洗濯槽に入れっぱなしの洗濯物を出して、洗濯機を空にして、水(出来ればぬるま湯)を溜めます。
そこへ洗剤を入れて5~10分攪拌し、よく溶かします。そのあと衣類を入れて洗濯してください。」
こう書けば大体の人に通じる。
しかし、文章が長くて面倒くさそうに見えるのが難点。
「まず、洗濯槽に入れっぱなしの洗濯物を出して、洗濯機を空にして」というところは省いてもいいかも? 水を溜めて洗剤を入れて5~10分攪拌、その後に衣類を入れる、と書けば洗濯槽は空だということくらいわかるよね? と思って省いてみた。
第二案がこれだ
「衣類を入れる前に洗濯機に水(出来ればぬるま湯)と洗剤を入れて5~10分攪拌してください。それから衣類を入れると、洗い上がりが格段によくなりますよ!」
でも、こう書くと、たいていの人が5分攪拌で済ませるのだ。
5分でもやらないよりはいいし、攪拌力の強い海外製の洗濯機なら5分でもOK。しかし、日本の洗濯機は世界一攪拌力がソフト。出来れば10分は攪拌してもらいたい。
なので、最近はこう書いている。
「衣類を入れる前に洗濯機に水(出来ればぬるま湯)と洗剤を入れて10分攪拌してください。それから衣類を入れると、洗い上がりが格段によくなりますよ!」
この第三案は長く続けて書いていても、質問が出てこなかった。きっと伝わっているのだと思っていた。
しかし、それは、私の石けん系掲示板や、石けんに興味のある人たちに向けての話しだった。
石けん派ではない、ごく普通の方たちに向けて書いたところ、「10分攪拌すると、洗い時間はあと2分しかありません。その2分できれいになるのでしょうか?」という質問が来た。
これが一人ではなく数人から。
数人の方が直接質問をするということは、質問しないで疑問に思っているだけの人はその数十倍、数百倍はいるはずだ。
うーむ、これはこちらの気の緩みだ…。
やはり、こう書くべきだった。
「洗濯するときは事前に洗剤をよく溶かしてみてください。
そのためには、洗濯槽に水(出来ればぬるま湯)をため、洗剤を入れて10~15分攪拌します。その後、通常のコースで洗濯します」
この「事前に」は、洗濯のことだ。洗濯の前に、洗剤をよく溶かす、という意味。当然、よく溶かしてから「洗濯」をする、という意味だ。
そしてダメ押しで「その後、通常のコースで洗濯します」、これを入れ忘れてはいけない。
この文章、ものすごく練っているようには見えないだろうけど、実はすごく紆余曲折があって出来た文章なのだ。
読者に一度ですんなり理解してもらう書き方は、かように難しい…。
でも、やっぱり万人に一度でわかる書き方をして見たいのだ。それがこういうハウツー物の書き手の心意気、だと思ってるので。
※追記
最近の日本の洗濯機の攪拌力は、どんどん落ちているので、5分はもう意味がなく、10分以上は必要になっています。
合成洗剤と石けんは別の物質なので、「洗剤と石けんを入れて」と書きたいところですが、それをやると文章が長くなるので省略しています。
石けん派の人は「洗剤」のところを「石けん」と置き換えて読んでください。
石けんをあえて付け加えないことで、合成洗剤も実はよく溶かさないといけないものなんだ、20度程度の温度は必要なんだ、ということが広まるかも、という思いもあります。
「その後、通常のコースで洗濯します」だと「それから衣類を入れると、洗い上がりが格段によくなりますよ!」の時の「後から衣類を入れる点」が抜けてしまってるんですが、それは通じるんでしょうか。ここまで来ると、わけわかんなくなってきますね(笑)
この間、テレビで加藤登紀子さんが二層式の洗濯機を使っていると言っていました。すると他の出演者が皆、二層式が今でも存在することに驚いていました。
二層式を使っていることに驚かれるのには慣れていましたが、存在自体にも驚くんだなぁと、それにビックリ。家電量販店だと1台くらいは並んでるんだけどな、今でも。
戻した理由って何かありますか?
この文章は、洗濯の話の中に挿入する基本の一文です。ですから、この前後に部屋干し臭の話しや「これをやると洗い上りが格段によくなりますよ!」が入ったりします。
それと、「通常の洗濯」は衣類を入れてやるものだから、「通常のコースで洗濯」という一文には『衣類を入れる』ということも含まれる、と思ってたんですが、そうとらない人もいるかも・・・?
うーむ、やはり「その後『衣類を入れて』通常のコースで」とした方がいいかもしれませんね。
5~10分に戻したのは、これだと「あ、時間を自分で設定するんだな」ということがわかる人が多いからです。このところ書いていた「10分攪拌」だと、10分じゃないとダメ!と思う人もいるらしいのです。時間は自分の好きに設定してね、という意味をこめて。
そしてその後に説明が色々入る文章が続きます。
が、このブログだけしか見たことのない人には・・・うーん、最後まで読んでくれた人なら、一応流れがわかっているのですから、大丈夫だと思うんですが、どうですかね?
このブログの、この記事を読んだ方なら、よっぽど読み飛ばしていない限りは理解してくれると思いますが ‥‥ 石けん生活者には思いもよらない落とし穴(?)もあるかも知れないので、普通の洗剤でサッポイピッと普通に洗濯している方のコメントが欲しいところですね。
そこまで教えないといけない人はそういないと思いますよ。
もし、衣類をいつ入れたらいいのか、と聞いてくるような人がいたとしても、そういう人は切り捨ててもいいんじゃないかと。。。
サッポイピッをやめてちゃんと溶かして洗濯すると本当にきれいになるんですけど、サッポイピっ以外はやりたくない!!! そんな手間かけられん!!! と思っている人も多いですからね・・・。襟とか袖に何か塗りつけたり、靴下を下洗いしたり、漂白剤を入れたりと、別の手間はかけているのにね・・・。
確かに「洗濯」と言えば衣類を入れることを含みますから、それでいいかもしれないですね。ただ、切り捨てるのはちょっとかわいそうかなぁ? というか、ちょっとした勘違いだと思うので、切捨てというより、ちょっと静観していれば、自分で気づいてくれるんじゃないかと思います。
ハサミで紙を切る・・・・・・はさみや紙を見たことの無い人にどうやって説明するんだろう・・・。それは難しいですね! ハサミというモノの存在をまず説明するのでしょうか。いや、大変そう。
「何かを説明する」って、お互いに共通認識が無いと本当に難しいですね。
たまたまこのブログにたどりつき,「洗濯前に洗剤を10分攪拌」のキーワードに惹かれたのですが,やり方がわからず,最終的にこのページにたどり着きました。
それでも「水を溜めます。そこへ洗剤を入れて5~10分攪拌し」の部分がわからず,ドラム式にどうやって水を入れるのか(バケツ?),洗剤はどこに入れるのか,そして攪拌ってどのボタンを押せば?など悩みました。
自分なりの解釈で,風呂水ホースをつなぎ,洗剤入れに液体洗剤を入れ,すすぎや脱水なしの「洗濯10分」にして回すと,ドラムの窓半分くらいまで泡で埋まった状態で終了しました。不安なので下にタオルを敷いて開けてみると,水はこぼれるほどは入っておらず,開いたドアの窓部分に泡がいっぱいついている状態でした。
そこに洗濯物を詰め込んで,いつものように洗濯から乾燥までの設定にしてスタートボタンを押したところです。
手間はそれほどには感じませんでしたが,果たして私のやり方はあっていたのでしょうか。
↓↓
http://www.yomiuri.co.jp/otona/life/ecolife/20130815-OYT8T00521.htm
よろしくお願いいたします。
先にぬるま湯で溶いておいた洗剤を洗濯物に直接ふりかけるというのが一番簡単そうですので,ためしてみたいと思います。
それにしても7~8年まえに使っていたドラム型洗濯乾燥機はほとんどメンテナンスフリーで洗濯物が臭くなることもなかったのに,節水・低温乾燥などの機能がついた洗濯乾燥機に変えてから,生乾き臭と生地の痛みに悩まされるようになるなんてがっかりです。なんとか“コツ”を見つけて少しでもストレスを減らしたいと思います。ありがとうございました。