2005年 03月 01日
犯罪者の呼び方/事務長
2月27日に発覚した岐阜県中津川市での殺人事件で、容疑者の名前に「事務長」という役職名をつけて報道しているのはどういうわけなんだろう?
昔、私が子供のころは、何か事件を起こした人は全て呼び捨てでした。
新聞の報道などでは「犯人の○○はいついつどこどこで何々をやった」という感じ。テレビでも呼び捨てでした。
それが、冤罪で、無実の人を呼び捨てにしていた、ということがあり、それ以降は、明確に容疑や刑が確定するまでは○○容疑者とか、○○被疑者、○○受刑者という風に呼ばれるようになりました。
刑が確定している人でも、呼び捨てはせず、○○受刑者なんですよね。呼び捨てって、すごくきつい印象を与えるからでしょうか。
そういう状況が長く続いていたけど、数年前に人気アイドルグループのメンバーが、駐車違反をしてしまい、車から出るように指示されたとき、周りから騒がれたり写メール撮られたりして、車から出られず立てこもってしまった、それを出そうとした警官にちょいと傷を負わせてしまった、という事件がありました。
そのとき、全てのテレビ局が彼のことを「○○メンバー」と、ものすごく不思議な呼び方をしたんです。
役職名ですらない、「メンバー」って、あんた・・・。
そのあと、島田紳助のマネージャー暴行事件では、各テレビ局が全て「島田紳助司会者」という呼び方をしました。
今回の中津川での事件も、容疑がかなりはっきりしていても「原事務長」という呼び方。「メンバー」事件以来、罪を犯した人の名は役職名をつけて呼ぶことが定着してきたのでしょうか?
役職名のついていない人はどうなるんでしょう?
いい話なら、○○さん、と「さん」付けで呼ぶだけですよね。
悪い話なら役職名。
学生の場合はどうなるだろう、とふと考えたら、学生で未成年なら少年AとかB少年という呼び方ですね。
学生で成人している場合は・・・。
これは今まで私が知る限り、○○容疑者、被疑者でした。
つまり、変な役職名がつくのは芸能人と、ちょっと位が高い人とか、警察の身内に近い人だけ、かも。今回の原事務長も、警察犬の訓練士をしていたそうなので、警察の身内と見られて、容疑者とつけるのはかわいそう、となったのかもしれません。
(でも、事務長というのは、福祉施設での事務長だそうですが)
または、本人の事前の評判がすごくよくて、とてもいい人だから、容疑者とつけるのはかわいそう、となったのかな?
でも、そんな感情的な部分で呼び方を変えられてもなあ、なんて思うけど。
罪を犯した人の呼び方を、その人の地位や立場で変えるのは変だと思いますねー。

被疑者・・・犯罪の疑いを受けて捜査(取り調べ)中で、まだ起訴されていないもの。三省堂の辞書より 三省堂の辞書には「容疑者」は載っていないのでWikipediaで検索してみました。 容疑者(ようぎしゃ)は日本のマスメディア(マスコミ)による造語である。マスメディアでは逮捕又は指名手配や嫌疑されると「容疑者」と呼び、公訴が提起(起訴)されると「被告」と呼ぶようになる。 どうやら、造語のようですね。造語だから辞書には載っていないのか・・・。 確かに安倍なつみ被疑者よりは安倍なつみ容疑者の方が言い易いかな。 ...... more