漫画家・赤星たみこの日記です。 

by akaboshi_tamiko

マンガとサケ

「漫画」という言葉は、今や世界語だ。
海外の漫画好きな人たちは、ちゃんと「マンガ」と言うし、オタクの人たちのことを「オタク」と言うし、「スシ」「フジヤマ」「カワイイ」と並ぶ日本語由来の世界語の一つだ。(カワイイよりマンガのほうがもっと早く認知されているし!)

なのに、なぜ、日本では漫画のことを「コミック」と言うのだろう?
マンガが世界で通用しているのに、なぜ英語のコミックという言葉を使わねばならないのか。

もう30年ほど前から感じていることだけど、漫画家の友だちで「コミック」という言葉を使う人はいないのに、なぜか編集長クラスの人(当時30代半ば~40代くらい)がコミックと言うのがすごく不思議だった。

30年前、おそらく30代~40代の人たち、いわゆる団塊の世代は、なんでも英語にするとカッコイイ、と思っていたようなふしがある。もっと若い世代や、実際に漫画を描いている漫画家の友だちは、「マンガはマンガでいいじゃんねえ、それで世界にも通用するんだし!」と話していたのだが。

というようなことを、先日の浄化槽フォーラムの懇親会の時にちらりと話したら、そこにいた酒蔵の方が「そうなんだよ!」と大きくうなずき、こう続けた。

「我々も日本酒のことを、サケで通したい。海外で説明するとき、ライスワインと言う人もいるけど、ライスワインじゃないんだよ、酒はサケ、なんだよ!」

私も15年ほど前、カナダの友だちのところに遊びにいったとき、日本酒をお土産に持っていったことがある。そのとき、カナダ人の友だちは、ちゃんとsakeと言ってくれた。発音は「サケ」ではなく、「サキー」に近かったけど。
でも、ちゃんと「サケ」で通じるんだよね、15年前ですら。

日本酒をライスワインと訳すのは、「英語にすればカッコイイ」という思いから、ではなく、「わからないだろうから、近い物に訳してあげますよ」という親切心からだとは思う。

でも、その親切心の裏には、「日本酒はまだまだ世界の中で少数派で、知られていない存在だよね」という、ひかえめすぎる思いが隠れていないだろうか? 
そんなにひかえめにならなくてもいいと思う。堂々と使っていれば、もっともっと認知度も上がるだろうし。

特に、漫画のほうは、「マンガ」という言葉がもう世界語として十分認知されているんだから、コミックと言い換えることは全くないし!
なぜいまだにコミックと言うのか、小一時間問い詰めたい気分だ。
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by akaboshi_tamiko | 2014-12-21 04:16 | 言葉 | Trackback | Comments(0)
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