アンの茶色のドレス
そんな中、赤毛のアンの中で、私が一番好きなエピソードをご紹介。
それは何と言っても、アンが袖のふくらんだ茶色のドレスをもらう話だ。全シリーズを通して、一番好きなエピソードである。
アンはいつもシンプル(と言えば聞こえがいいけど)で、地味で、人並みではない服装をしていた。それに気づいたマシューが、マリラには言わず、近所のリンド夫人に服を作ってくれないかと相談する。
するとリンド夫人はアンに最新流行の型のドレスを縫ってあげると約束し、マシューが帰った後、はこうつぶやく。
「あのかわいそうな子がはじめて人並みのものを着るなんて、ほんとにいいあんばいだ」(中略)
「あんなみじめななりをさせて、それでアンにへりくだりの気持ちを持たせようとするつもりらしいが、かえてうらやみと不満の気持ちを起こさせるだけさ。あの子もきっと身なりのことではひけ目をかんじてるに違いない…」
(訳・村岡花子)
このリンド夫人の気持ちが、読んでいてホッとするし、スカッとするのだ。それまでのマリラの、服装に関するあまりにも厳しい、頑固な態度に嫌気がさしていたので。
そして、アンはクリスマスの朝、袖のふくらんだドレスをもらう。だけど、そのドレス、どんなデザインだったのだろう?
私の持っているポプラ社版ではアンがドレスを手にして喜んでいる挿絵があるんだけど、これがなんと、半袖のパフスリーブ!
クリスマスプレゼントなのに半袖ってことは無いでしょう~~~?
村岡花子訳ではこんな描写だ。
つやつやとした、素晴らしい茶色のグロリア絹地! 優美なひだや縁取りのあるスカート、最新流行の型で、ピンタックのしてあるブラウスで、首にはうすいレースの飾りがついている。それよりも袖、素晴らしいのはスリーブだった。長い肘のカフスの上には、茶色の絹のリボンを蝶結びにしたので仕切ってある、二つの大きなふくらみがついていた。
ほら、「長い肘のカフスの上には・・・」という一文があるから絶対半袖ではない。
どんなデザインだったのか、あれこれ調べてみたら、カナダの赤毛のアン記念館にちゃんとそのデザインのドレスが展示してあるというブログがヒットした。
おお、まさにこんな感じ!と、私が想像していたようなドレスだった。(もちろん長袖)
って、なぜ今頃になって時ならぬアンブームなのか?
NHKの朝のテレビ小説、「花子とアン」の時は読み返したりしなかったのに。今になって急に・・・。
いや、ホント、私のマイブームは突然始まるので、自分でも予測立たない。とりとめなくてすみません(-人-)