2015年 04月 22日
二度流し考
日本のトイレ考 二度流し編編集する
2007年02月13日23:06全体に公開
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日本女性は、自分の排尿音を他人に聞かれるのを「恥かしい」と感じる人がたくさんいます。
だから、外のトイレで水の二度流しをして、自分の排尿音を水音でかき消そうとします。
日本女性はいつから二度流しをするようになったのでしょうか?
水洗トイレになる前、いわゆるボットントイレの場合は、流したくても流せないわけですから、日本に水洗トイレが出現してからの話ですよね。
さて、最近は空港や駅やデパートのトイレでも、フォーク並びが普通になってきました。
でも、昔はフォーク並びではなく、個室のドアの前にべったり人が張り付いて待っていました。
シカゴ在住の友達はご主人が70代のアメリカ人なのですが、その人に、アメリカでのフォーク並びはいつから始まったのか聞いてみました。
そうしたら、彼にとってフォーク並びとは、そういう名前が付いたこと自体、不思議なくらいで、そもそも何かを待つために並ぶのは。一列で並ぶのが普通だ、とのこと。
トイレでも郵便局でも銀行でも、窓口の数だけ列が出来るのは不合理。並ぶ時は一列。そして先頭の人が空いた窓口へ行く。これが普通。だそうです。
ちょっと前の日本みたいに、窓口やトイレの個室にぴったり張り付いて並ぶということはしたことがない、とのことでした。
もちろん、たとえば5個の窓口に4人の客だったら、それぞれ窓口に直接行くでしょう。
しかし、窓口がいっぱいだったら、どこかの窓口に並んでいる人の後ろにすぐ付くのではなく、ちょっとはなれたところに並んで、どこが最初に空くかを見るのだそうです。すると後から来た人も、立っている人の後ろに並ぶ、というわけで、自然にフォーク並びが出来る、とのことでした。
80年代に渋谷に109が出来た当初から私はあのビルの地下のトイレを利用していましたが、出来た当初は、フォーク並びが全然浸透していなくて、私が個室の手前で立って待っていると、私を通り越して個室の前にぴったり立って待つ人が続出する、そんな時代でした。
今ではどこのデパートに行っても、個室の前にぴったり立って待つ人は、少なくとも私は見かけません。
さて、このフォークならびになって何が変わったかというと、私自身に関して言えば、二度流しをまったくしなくなった、ということがいえます。
若かりしころは二度流しを時々していました。
それは、トイレのドアを開けると、そこに人が立っているんですもの…。私が出した音を、その人は絶対聞いているんです。そして顔も見られちゃうんです。
それが恥かしくて、二度流しをしていました。
ところがフォークならびになったとき、私がどんなに派手な音を立てたとしても、私の個室に次に来る人は、2~3mはなれたところで待っていたひとです。その音は少し小さくなっているだろうし、個室はいくつかあるので、その音を出したのがわたしかどうかはその人に派わかりません。
だから、私は心置きなく音を立て、二度流しをしなくても恥かしくなくなったのでした。
隣の個室の人に聞かれても、出るタイミングが違うので、顔を見られることはありません。だから音を聞かれてもOKなんです。
フォーク並びが普通になったとしても、音姫の付いたトイレはたくさんあるし、二度流しをする女性もたくさんいます。
フォーク並びが二度流し撲滅の特効薬だとは言いません。
でも、日本女性が二度流しをするようになったきっかけの一つが、トイレの前に人がジーッと立って待っているその並び方にあったのではないか、と思います。
ボットントイレの時代から、日本ではドアの前に立って待つのが普通でした。その後、水洗になったとき、シャーッという排尿音と、じょぼじょぼという落水音の両方が他人に聞こえてしまう、それは恥かしい、水を流して消しちゃえ~、という流れだったのではないでしょうか?
そして、二度流しが普通に行われているから、それが「普通」と思い込んで、フォークならびになって自分の音をばっちり聞かれるわけでもないし、顔を見られるわけでもないのに、うっかり習慣で二度流しをしている人が多いのではないかな~、と思うのでした。