2015年 05月 05日
洗濯用石けんで食器を洗う
中には、語気鋭く、「洗濯用で食器を洗うなんてもってのほかです!何を考えているんですかっ!」と言う方もいます。
ええ、確かに、洗濯用の合成洗剤で食器を洗うのはダメです。そんなことやってはいけません。
というのは、合成洗剤はどれも、多かれ少なかれ毒性があるんです。
毒性の高い物で食器を洗ってはいけないですよね。
でも、石けんは毒性無しです。
石けんの正式名称は「脂肪酸ナトリウム」と「脂肪酸カリウム」です。主に固形や粉石けんが「脂肪酸ナトリウム」で、液体石けんは「脂肪酸カリウム」です。
とにかくどんな形状、どんな用途、どんな名称でも、石けんはこの二つの種類しかありません。そしてその二つは毒性がありません。
しかし、合成洗剤はものすごくたくさんの種類があり、毒性の高い物から低い物まで、多種多様です。その数、数百種類ともも数千種類とも言われています。あんまり多いので、覚える気もないくらい。(使わないから覚えなくても特に問題ないです、私にとっては)
昔、合成洗剤が無かったころは、どの家でも石けんでなんでも洗っていました。体も顔も髪も、食器も洗うし、衣類も、家の掃除も、すべて石けんでした。
そこへ合成洗剤が世に出てくると、毒性の高い物を食器や体に使うのはまずいだろう、ということになり、用途を明記しなければ売ってはいけない、と言う法律ができました。
毒性の低い物で食器や体を洗い、高い物で掃除や洗濯を、ということなのでしょう。
石けんは毒性が無いので、どれもこれも石けんで洗ってOKなんですが、同じ洗浄剤ということで、合成洗剤用の法律がついでに適用され、用途を明記しないと販売できなくなってしまったのです。
台所用の石けんも、洗濯用の石けんも、掃除用の石けんも、実は同じ脂肪酸ナトリウムなんです。(液体だけ脂肪酸カリウムですが)
洗濯用にはそのほかに「炭酸塩」という助剤が入っています。炭酸塩はアルカリ性の無機塩類で、洗浄力をアップするために入っています。洗浄力が高いので、油ベトベトの食器でも汚れた換気扇でも、スッキリ洗いあがります。
普通の台所用として売られている石けんよりは洗浄力が高く、私はおススメなんですが、肌の弱い人は手がカサカサするかもしれません。でも、あとでよくすすいでハンドクリームなんかちょっと付けておけば大丈夫。
と、石けんの話は書けば書くほど面白くてどんどん長くなりますが、良かったら私の本もご覧くださいね。
「セスキ&石けんでスッキリ快適生活」できました!

炭酸塩はこんにゃくを作る時にも用いられるもので、食用としても使われています。
食用の炭酸塩と、掃除用の炭酸塩の違いは、せいぜい精製度くらいの差です。
この無機塩類(重曹など)の精製度の違いについての私の見解はこちらをお読みください→ 工業用と食用の重曹
(読むのめんどくさいという人には先に言っておきますが、工業用でも食用でも、製品に大差ありません。そもそも毒性のない物質ですから)