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食器洗い、タワー方式って知ってますか?

以前、読売オンラインに連載していた「赤星流エゴロジストな暮らし」に、食洗機のほうが手洗いより節水になる、という話の矛盾点を突いた記事 (注1)を書きました。 
私の実験では、食洗機より手洗いのほうが断然節水になったのです。


でも、ほとんど全部の食洗機が、手洗いより節水になる、と書いてあります。
どうやって手洗いの水量を出しているのか、調べてみると、次のような計算で出していました。(日本電機工業会より)(現在はリンク先が不明になっていますが、内容は以下の太字部分が書いてありました)

「10リットルのお湯(約40度)に食器をつけ置きし、洗剤を使って洗い、毎分6リットルの流水で、食器1点あたり13.5秒、小物は5.5秒すすぐ」

この算出方法だとものすごく水を使うことになります。私が自宅で食器を洗って使用水量を計測したら、10.8リットルでしたが、この算出方法で計算すると、64.4リットルという計算になります。(注2)

毎日食器を洗っている人で、水道代を考える人なら、水をそんなに太く出さないし、食器も一個ずつすすぐんじゃなくて、タワー方式ですすぎます。そうすればそんなに使用水量は増えないんですよね。

タワー方式とは、水道の下に洗った食器を何枚も重ねて置き、上から順にすすいでいく方式です。
食器洗い、タワー方式って知ってますか?_b0019674_2014355.jpg

わざわざ「タワー方式」なんて名前を付けなくてもいいんだけど、まあ、呼び名があった方が何かと便利なのでね、どこかネットかなんかで見た「タワー方式」という呼び名を私は使わせてもらってます。
(以前は、「シャンパンタワーみたいな洗い方」と言ってたんですが、これだとちょっとわかりにくいし)

とにかく、食器洗いは細い水を出してタワー方式ですすげば、食洗機よりは節水になると思います。

いえ、食洗機全否定しているわけじゃないんですよ。うちにもありますし。食洗器は、家事労働軽減のためにはいいモノだと思います。でも、エコとか節水で売るのは、ちょっと違うと思っています。

というわけで、「タワー方式」のやり方、覚えていて損はありません。

タワー方式より、こうすればよりエコかも?という提案をいただいたこともあるのですが、その件についてはまた明日。お楽しみに!! 

あっ、そうそう、石けんで食器を洗っている方の中には、石けんの場合は水がかからないようにすすがねばならない、と思っている方がいるのですが、石けんもタワー方式でいいんですよ!

注1~3 以前は私が読売オンラインに書いた記事のリンクを貼っていました。
しかし、読売オンラインでの公開期限(5年)が過ぎたため現在は公開されていません。

内容はどれもこのブログ記事とほとんど同じものです。

ひとつは日本電機工業会が出した「手洗い時の水量」が、食器を一つずつ太い水を出して洗うという、現実の家事とはかけ離れたやり方で算出されていたことから、食器洗浄機を「節水」で売るのは無理があるのではないか、というもの。

残り二つは実際に食器を手洗いした時の時間と水量を計測してみると、日本電機工業会が出している水量よりかなり少ない水量で洗えたこと、石けんで洗っているひとでもタワー方式で洗えば節水になりますよ、ということを実験結果をもとに書きました。

それにしても、石けんで洗ったときはすすぎに水がかからないようにしましょう、という説明はどうにかならないものでしょうか。
すすぎというものは水がかかり、その水が泡や汚れを流していくことがすすぎなんですから、水がかからないようにしたらすすげないですよね?

下のコメント欄に詳しく書きましたので、コメント欄もぜひお読みください。

Commented by ナノハナ at 2018-10-17 19:11 x
はじめまして。最近、洗濯や食器洗いを石けんでしようといろいろ調べ始めました。
この記事の最後に書いてある、石けんもタワー方式でいいんですよ。のリンク先が見れませんでした。大丈夫といわれればそうなのだとは思いますが…
今まで頭用、体用、顔用、食器用、衣類用…などと洗剤を使い分けていましたが、石けんや重曹などについていろいろと調べるうちに、今まで何も考えずに自分の中で当たり前を勝手に作っていたんだと気がつきました。
だから、誰かが大丈夫と言ったから大丈夫、ではなく、ちゃんと大丈夫な理由を知りたいと思いコメントさせていただきました。
昔の記事なのに申し訳ないのですが、よろしければ教えていただけないでしょうか
Commented by akaboshi_tamiko at 2018-10-20 01:44
★ナノハナさま
こんばんは、赤星たみこです。

リンク先は、私自身が以前、読売オンラインで書いたコラムです。内容は、ほぼこのブログと同じようなことです。
また、わたしのブログ内には石けんに関する記事がかなりあり、もしよかったらカテゴリの「石けん/セスキ/過炭酸塩」を読んでみてください。

さて、私は、誰かが言っているから大丈夫、ではなく、私自身が実際にタワー方式で食器をすすいだ時の体験から、タワー方式で全く問題なくすすげているので、それを書いています。

ということを踏まえたうえで…

ナノハナさんが知りたいという「大丈夫な理由」というのはどれのことを言っているのでしょうか?

長くなりますが、私もご質問の意味をよく考えて、わからないことを書きながら、ご質問にお答えしようと思います。
Commented by akaboshi_tamiko at 2018-10-20 01:47
「石けんもタワー方式でいいんですよ」という言葉の中にはいろんな意味が隠れています。

石けんで食器を洗う場合、生協などから出ている古いパンフレットには、「すすぎのときには水につけないように」と書かれているものがあります。

それをそのまま受け止めている人は、「タワー方式だと、いますすいでいる食器のすすぎ水が下にある食器にかかることがダメなのだな」となんとなく思い込んでいるので、一枚ずつすすいでいる人が多いのですが、もしかしたらナノハナさんもその方式でしょうか?

その方式でも確かにきれいになります。でも、ほかの食器をシンクの端に置いて、水がかからないようにして、一枚ずつすすぐのは時間もかかるし、水もたくさん使うし、面倒ではありませんか?

すすぎの時、タワー方式で大丈夫、という意味は、「タワー方式できれいにすすげますよ」という意味です。もちろん一枚ずつでもきれいになるし、タワー方式でもきれいになります。これは人の意見をうのみにするよりも、実際にやって、自分で納得するのが一番です。

でも、そういう単純な話ではないのかな?とも思いました。
Commented by akaboshi_tamiko at 2018-10-20 01:50
もしかしたら、「タワー方式(の方が節水になるの)で大丈夫ですよ」という風に受け止めた場合、ほんとに節水になるの~?という疑問も出ますよね。

これは実際にやってみた方から、ほかの食器に水がかからないようにして一枚ずつすすぐ場合から、タワー方式に変えて、すすぎの水が下の食器にかかるようにしてすすいだら、水道代が安くなった、という話も、読売オンラインの記事のコメント欄にあったと思います。

(保存してなくてすみません。読売新聞のルールで、コラムは3年しか保存しないということでした。しかしアクセス数やコメントが多かったので、特別に5年保存してくれていました。私も自分の記事そのものは保存してあるので、それをまた別のサイトに小出しにしていますが、ちょっと忙しくて全部できていません。申し訳ありません)

そういう(読んでもいない)コメントは信用できない、根拠が知りたい、というお気持ちもよくわかります。そういう場合は、実際にスマホのストップウォッチ機能を使って、すすぎの時間を計ってみるといいと思います。
Commented by akaboshi_tamiko at 2018-10-20 01:53
その前に、水道の蛇口の下に計量カップ(200ml)を置いて、それがいっぱいになる時間を計測しておきます。そうすると、かかった時間をかければ使用水量が出てきます。(実験のために同じ食器の枚数でやるといいでしょう)
Commented by akaboshi_tamiko at 2018-10-20 01:54
パナソニックのサイトでは手洗いより食洗器のほうが使用水量が少ないと書いてあります。
https://panasonic.jp/dish/product/NP-TR9/eco.html

これを見ると、6人分の食器を手洗いすると一回につき84リットル使うことになっていますが、これも実際にご自分で食器を洗ってみて、上記の方法で使用水量を自分で計測してみてください。

その際に、やっぱりタワー方式で手洗い(すすぎ)したけど84リットル以上使ったわ、節水にはならなかったわ、ということになる場合もあるでしょう。(おそらくお箸を一膳ずつ、スプーンもフォークも一本ずつ洗う、水は太く出す、というふうにやると84リットル以上使うかもしれません)

それはそれで、ご自分で納得して、好きな方法で洗い、すすぐのが一番です。
Commented by akaboshi_tamiko at 2018-10-20 02:07
石けんのパンフレットに書いてある「すすぎの時は水につけない」「水がつかないようにしてすすぐ」というような文言とは違うことをする、ということに対する怖れがあり、本当に大丈夫なの?という思いがあるのかもしれません。

石けんのパンフレットに書いてある「すすぎの時は水につけない」という言葉は、正しく書くと、「すすぎの時は水に浸けない」です。

だって、水が付き、それが移動することで泡や汚れが流れていくのが「すすぎ」です。水が食器に付くことを否定してはすすぎができません。

「すすぎ」という行為は、付いた水が流れていくことです。

だから、水が付くことは全然問題ではありません。(流れていく限り)

しかし、せっかく石けんで洗った食器を、洗い桶などにためた水に浸けるとどうなるか。
Commented by akaboshi_tamiko at 2018-10-20 02:07
お皿の汚れを今、石けんが分解してくれているのに、それが水に浸かった瞬間に石けん分が薄まります。

石けんは、油汚れを分解するのにちょうどいい量を使わないと、かえって油分が中途半端に分解されて、べたべたしたマヨネーズ状のものに変化します。(これを酸性石けんといいます)

油汚れを分解するのに適正な濃度の石けんが、ため水の中で薄まり、油汚れが酸性石けんに変わります。それは食器にべたっと残ってしまいます。また石けん成分が石けんカスとなり、水の中に漂い、食器に再付着することがあります。

なので、石けんで洗ったものは、水に浸けたら最悪の洗い上がりになります。

水に浸けず、流水でそのまま流してしまえば、多少石けんカスが発生したとしてもそれは流れていき、再付着しません。

タワー方式では水に浸けているわけではないので、最初の食器をすすいだ時に発生した石けんカスも、流れていき次の皿に再付着しませんので安心してください。
Commented by akaboshi_tamiko at 2018-10-20 02:08
タワー方式ですすいだらべたべたしてしまった、という場合は、石けんが足りなかったので、酸性石けんが発生してしまったのでしょう。その場合はもう少し石けんを足して洗ってみてください。

ごしごしすすぐより、あっさり石けんを足して洗ってからすすぐほうが、かえって手間がかかりません。

Commented by akaboshi_tamiko at 2018-10-20 02:09
追記

合成洗剤を使っている場合は、すすぎのときに「水に浸ける」という方も多くいらっしゃいます。

これは、合成洗剤は理論上、石けんカスが発生しないのと、合成洗剤は薄めても薄めても界面活性作用を失わないという厄介な特徴があるので、ため水に浸けて、洗剤成分を少しでも薄めよう、という配慮から来た方法です。
Commented by ナノハナ at 2018-10-20 22:51 x
丁寧なお返事、ありがとうございます。

『石けんのパンフレットに書いてある「すすぎの時は水につけない」「水がつかないようにしてすすぐ」というような文言とは違うことをする、ということに対する怖れがあり、本当に大丈夫なの?という思いがあるのかもしれません。』
わたしの不安はまさしくこれでした。
参考にしようといろいろな方のブログなどを見たりしましたが、多くの方が洗ってすすぎ待ちの食器を水がかからないようにとシンクの外に置いていました。正直、えっ、こんなに面倒なことをしなくちゃいけないの…?と思っていたとき、こちらの記事を見て、これならできそう…でも本当に大丈夫なんだろうかと思い、質問させていただきました。

すすぎの時は水に浸けない…とても納得できました。実は今日、食器を洗った時にタワー方式ですすいでみました。汚れの再付着などなく、とてもキレイにすすげました!今までの洗剤と比べて、なんと手間も感じませんでした。いま少しずつ合成洗剤をやめていってます。食器洗いは石けんに移行できそうです!ありがとうございました!

また、節水になるかという実験も、今度やってみたいと思います。いろいろ教えてくれてありがとうございました。ブログも少しずつ、過去のものも読ませてもらってます
Commented by akaboshi_tamiko at 2018-10-21 03:53
★ナノハナさま
ああよかった! 疑問と不安が解消されたようで、私もホッとしました。

ナノハナさんの疑問と不安がどの部分に対するものなのかがわからなかったので、これかな?これかな?と、一つずつ確かめながら書いていたので、長くなってしまいました。

あんまり長いので、「きついなあ」と取られるかも…と不安でしたが、疑問が解消されてよかったです!

石けんで食器を洗うのは、実際にやってみるととてもきれいになるのでお勧めですが、「水をつけてはいけない」という言葉に惑わされ、難しくとらえている人が多いのは悲しいことです。

あの言葉は、昔の古い古いパンフレットに書かれていて、私は多くの生協や石けん関連会社の方たちにパンフレットの書き換えをお願いしているのですが、今も昔のものを使っているところがあるんですよね…

実際にタワー方式で何の問題もないし、「水が付いてはいけない」ではなく、「水に浸けてはいけない」ということなのだ、ということを声を大にして言い続けています。ぜひナノハナさんもお力を貸してください。よろしくお願いいたします。
by akaboshi_tamiko | 2015-07-24 00:03 | 石けん/セスキ/過炭酸塩 | Trackback | Comments(12)