ケーキ作りの道具を洗う
以前、読売オンラインで連載していたコラムに、食洗機を使った方がケーキ作りの道具がきれいに洗えます、というコメントが付いたことがありました。
確かに、食洗機だとけっこう高温のお湯を使うので油ギトギトの道具類もきれいになりますね。
でも、食洗機じゃないときれいにならない、というわけではありません。
合成洗剤は基本的に石けんより洗浄力が弱いので、油汚れギトギトのものを洗うのは大変です。水で、合成洗剤を使って洗うと、ホントに油汚れは落ちにくいです。
それよりは、熱湯を使う食洗機で洗うほうがきれいになります。
が、石けんだと油汚れにすごく強いので、石けんとお湯(給湯器の40度前後の温湯)でピッカピカにきれいになります。
石けんだとプラスチックの油汚れがなかなか落ちないと嘆く方も多いのですが、そんなことはありません。石けんをもっとたっぷりつけて泡泡で洗えば油汚れもスッキリ落ちます。
実は先日、うちに遊びに来ていた姪の一人が、「食器洗い、また合成に戻っちゃったんだー、プラスチックの油が落ちなくてベトベトするの…」と、相談してきました。
「合成洗剤だとベトベトしないの?」と聞くと、「合成でもベトベトしてるんだけどねー」という返事。でも、石けんだともっとベトベトするのでしょう。石けんは必要量よりちょっと少ない量で洗うと、べったべたになって、汚れ落ち最悪なんです。
でも、必要量を使うと、ホントに汚れがすっきり落ちますから!!
プラスチックは表面が柔らかいし、油となじみやすい素材なので、ほかの陶器やガラスを洗うときより必要量が多めになるようです。泡立ちも、ガラスの時よりもっと泡を多くモコモコにしないとすっきり落ちません。泡が少ないとどうしてもベタベタします。
どのくらいの泡立ちなのか、姪に見せるために実験してみました。
プラスチックのレンジ用の蓋にサラダオイルをスプーン一杯たらして、手で全体になじませます。
全体がベタベタ油まみれになっています。くぼみのところには油がたまって池になっています。普通、ここまで油っぽいモノを洗うことは無いですよね。
でも、ここまで油まみれのプラスチックも、ちゃんとアワアワで洗えばきれいになりますから!
スポンジにとろとろ石けん(洗濯用粉石けんをぬるま湯に溶かしてトロトロにしたもの)をたっぷりつけ、軽くもんで泡立てます。
泡がたっぷりついているスポンジでプラスチックの蓋を軽く撫ぜるように洗うと、まだベトベト。このとき石けんの量が少ないと、泡立ちが悪くなり、手もスポンジも蓋もネトネトベトベトします。
でも、このスポンジには石けんがたっぷりついているので、モミモミすると泡がさらにモコモコ立ち、全体が泡まみれになります。こういう状態だと、手で触るとキュッキュッとしてきました。
とにかくたっぷりの泡で洗います。
あとは給湯器のお湯でさっとすすげば、スッキリ!
姪も、「これくらいの泡なんだー」とちょっとびっくりしていました。
そして、うちのタッパーウエアやプラスチックの計量カップが茶色くなってないことにも「すごいねー、茶ばんでないよ、これ!」と言って感心していました。
この計量カップは確か、93年に千葉へ引っ越してきたころに買ったものですから、22年くらい使っていますが、でもまだ透明で、茶色くはなってないですよ。
うちにあるプラスチック容器で、覚えている限りで最古のものがこれ。まだ世田谷に住んでいたときに、辛子明太子を買ったときの入れ物でした。だから、これも軽く25年は経っています。
こういうプラスチックの容器は、時間が経つと茶色くなるものだ、と子供の頃は思っていましたが、うちではあんなに茶色く変色したものはありません。
石けんは肌や食器の表面に残留しにくく、洗浄力も強いので、プラスチックを変質させにくいのです。
合成洗剤はものすごく残留しやすい物質なので、プラスチックのような表面が柔らかい物にはじっくり残留し、どうしても汚れが落ち切れず(その場では落ちたと思っていても)、何年も使っているうちに黄変、茶変してくるようです。
プラスチック類を洗うときは、ほかのものを洗うときよりちょっと多めの石けんをつけて、泡をた~~~~っぷり立てて洗ってみてください。それで落ちなくてすすぎを何度もやるより、あっさりまた石けんをつけて二度洗いするほうが簡単にきれいになります。
石けんはプラスチックだけはダメ、と思っていた方、ぜひ石けんでもっときれいにしてあげてください。
長く使っても茶色くならないのは、気持ちがいいですよ!