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ストックホルム青少年水大賞、その4

SJWP(Sストックホルム・Jジュニア・Wウォーター・Pプライズ)の日本予選を勝ち抜いた都立多摩科学技術高等学校。小金井市にあります。

小金井は、黄金井と書くこともあるくらい、黄金に値する豊かな水が湧くことに由来する地名だそうです。黄金井の湧水は武蔵野段丘の崖のくぼみから湧き出ていて、これを「ハケ」と呼びます。

ハケと呼ばれる水は酸性雨を中和してくれます。じゃあ、アルカリ性なのね、と単純に思うところですが、そうそう簡単に話は進みません。多摩科学高校科学部のメンバーは、地層や水質を調査し、なにが酸性雨を緩衝させるのか、仮説を立て、研究してきました。

その地道な研究が実を結び、SJWPの日本予選を勝ち抜いてファイナリストになったのです。

8月22日、世界中から、水に関するさまざまな研究をしているファイナリストたちがストックホルムに集まりました。
そして23日は自分たちの研究を国際審査員の方々にプレゼンをする日です。出場国が多いので、このプレゼンは二日にわたります。(これは初日の23日。アルファベット順に分けてあります)
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その審査をするのがこの国際審査員の方々。世界各国から集まった精鋭たちです。
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左から4人目の背の高い男性が日本のS教授。日本からは二人目の国際審査員です。ここしばらくアジアからは出ていませんでした。

今年のファイナリストの中で、強敵はアメリカ。
重金属で汚染された水を、ナノチューブを使って浄化するというもので、そのナノチューブも自分で作った、という手ごわい高校生です。高校生なのに、たくさんの大学にメールを出し、共同研究をしてもらったり、素晴らしい研究でした。

日本の研究も、高校生たちが頑張って英語で受け答えして、観客や審査員の評価もどんどん上がっていったようです。
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23日、私は着物で応援に行きました。
これがいいのか悪いのか、悪目立ちというか、、、、ものすごい人気で、写真撮らせてくださいと何人にも声をかけられました。
そして、日本の高校生たちに描いてあげた似顔絵を見た、ほかのファイナリストたちや、スタッフの人たちからも似顔絵を描いてと頼まれ…。
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結局、20人くらいに描いてあげたのですが、みんな大喜びしてくれました。それはそれでいいけど、、、主役の高校生たちはどうなるのよ、、、という突込みの矢が全方向から飛んでくるような…。
まあ、雰囲気がよくなってリラックスできた、かもしれません。

二日にわたる激闘の審査が終わり、25日はヴィクトリア王女主催の晩餐会。この晩餐会のときに、グランプリと準グランプリの発表があります。
会場はノーベル賞受賞者が泊まるホテル、グランドホテル。
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ホテルの重厚な階段を上がって二階へ行くと、そこではシャンパンが振舞われ(ファイナリストたちにはノンアルコールのもの)、各国のジャーナリストやオーガナイザーたちが集まって談笑していました。
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日本チームもほかの国のファイナリストたちと楽しく写真を撮って談笑中。やはり着物は人気ですね。

そして、いよいよ階下の晩餐会会場へ。
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私たち日本の指導教授や事務局の人は19番のテーブル。大使館の方もお見えになっていました。
ヴィクトリア王女がおつきになったとき、みんな起立してお出迎え。写真を撮っている人がたくさんいましたが、私の席から出は撮れなかった…。
テーブルにつき、様々なアトラクションもあり、美味しい食事も楽しみながら発表を待ちます。
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そして、いよいよ、、、準グランプリの発表。

・・・・手に汗握り、ジャパンという声が聞こえないかドキドキしながら待ちました。

しかし、聞こえてきたのは「チリ!」
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南極圏の菌類が農業の水効率を上げる、という研究でした。ロメインレタスを使って、少ない水で生産性を上げるための研究です。ヴィクトリア王女から賞を手渡され、緊張するチリの高校生たち。

そして、、、、グランプリは、

「アメリカ!」という声が聞こえると、私と同じテーブルに座っていたアメリカのオーガナイザー(事務局の人)が、立ち上がり、歓声を上げました。
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ヴィクトリア王女の横に立っているのがPerry Alagappan君。おじいさんの代にインドからアメリカへわたってきたのだそうです。ワールドワイドな研究になったのは、そういう背景もあったのかもしれません。

グランプリを逃して、気落ちしてしまいましたが、、、
それでもまた来年がある。

日本の高校生たち、この世界のひのき舞台に立ってみたいとは思いませんか!? SJWPは、世界中から水の研究をしている若い科学者が集まり、研究発表をし、評価をもらう場です。

スウェーデン王室も、SIWI(スウェーデン・インターナショナル・ウォーター・インスティチュート)も、各国の水関連・環境関連のコンテスト関係者も、もちろん日本水大賞の関係者も、大人たちが真剣に取り組んでいるこのSJWP。ここで自分の研究を発表して、世界一になってみませんか!?

日本はかつてグランプリと準グランプリを受賞しているのですから夢物語ではありません。

今、これを読んでいる日本の高校生たち、学校関係者の方々、ぜひ、来年のSJWPの予選に応募してください。今年の雪辱戦は、今から始まっています!

Commented by yuria at 2015-08-27 14:39 x
日本の高校生たち、残念でしたね。
でも頑張った事はこれから将来にきっと役に立つ事でしょう。
次世代の高校生たちもグローバルな視点で環境問題を研究して打って出て欲しいですね。

晩餐会会場のテーブルの画像、面白い!
デコレーションケーキが並んでいるみたい。
華やかな晩餐会の中での賞の発表と授賞式なんですね。

そして!「とんでもないこと」とはそう言う事だったのか!
着物を着た日本女性がそっくりの似顔絵を描いてくれるなんて
赤星先生じゃなければ出来ない事でしたね。
立派な国際交流。
でも大忙しだった事でしょう^^

着物パワーも改めて感じました。
私ももっと着物でお出掛けします!
Commented by akaboshi_tamiko at 2015-08-28 15:22
★yuriaさん
いやー、着物人気はすごいです!似顔絵を描いていた日の着物はカジュアルな木綿で、帯も木綿。でも、骸骨の模様です。半襟もドクロ模様。というふざけたコーディネートで行きましたが、反応は上々。みんな面白がってくれました。

でも、受賞パーティには友達に借りた超いいキモノと帯にしました。これもまたすごい人気でした! トイレに入ったら、「美しい着物を見せてくれてありがとう」とお礼を言われたんですよ!ああ、いいキモノ、借りていってよかった! でも、汚さないようにするのに緊張しました。
Commented at 2015-08-29 10:08 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by akaboshi_tamiko at 2015-08-29 10:50
★鍵コメントさん
私も同感です。地方と都会の差は大きいですね。

しかし、それにしても、疲れました。国王主催の晩さん会も、周りの人と英語で話をしなくちゃならないし、それだけでも疲れた~~~。
でも、キモノのおかげで、人気者になれて、これは楽しい夕べでした。高校生たちより目立ってどうする、、、と思ったけど、でも高校生たちも着物で、目立ってました。よかった!!
Commented at 2015-08-31 10:13 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by tomomama at 2015-08-31 10:14 x
長くて済みません。続きです。
洗濯しているのですからTシャツが白くなるのは当たり前。とは赤星さんならお考えにはならないと思います。主人の白のTシャツだけいつまでも薄汚れた感じになっていたのです。
それが、本来のTシャツの白さ(もちろん、経年劣化はあります)が戻っています。
しかも、石鹸のいい匂いがしているのです!もちろん、柔軟剤は使用しておりません。
恥ずかしながら、私の寝間着の背中の部分がなんだかくさいなあ・・と思っていましたが、
そんなにおいも全くしなくなりました!

赤星さんがいつも書いておられた、きちんと洗われた洗濯物は柔軟剤がなくてもいい匂いがする。というのが本当に身をもって体験できて、本当にうれしいです。

ただ、注水4回にして洗濯すると1時間くらいかかります。
8月から注水4回を始めたので、どれくらいの水道代かはわかりません。
まったく、何が時短・節水だ!!と過剰広告に腹が立つ思いです。
でも、商品を見分けられなかった自分に責任があるのは間違いないので、我慢して洗濯機を使い続けなければ仕方ありません。
でも、たとえ、恐ろしく時間がかかっても、水道代がかかっても、洗濯物が白くなるのは私にとっては大変うれしいことなのです。
Commented at 2015-08-31 10:15 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by akaboshi_tamiko at 2015-08-31 20:36
★鍵コメントさん2
洗濯に関する嬉しいコメントありがとうございます。
とてもいいお話なので、私の石けん系掲示板にアップしていただけないでしょうか?
石けん大好き! という掲示板です。
http://akaboshi.com/eco-b/sekken/wforum.cgi
合成洗剤をお使いでも、よく溶かして、よくすすぐと、きれいになりますね!
合成洗剤は石けんより泡切れが悪いので、すすぎの回数が多くなりますが、よ~~~く溶かすことですすぎ性も高まります。
多くの人にも知ってもらいたいので、ぜひよろしくお願いいたします。
by akaboshi_tamiko | 2015-08-26 19:19 | 水大賞 | Trackback | Comments(8)