2015年 11月 19日
二人展、イラスト部門
フォトショップで描く水彩画風のイラストも、プリントアウトして額装したら、プリントアウトに見えないと言われて、ちょっとニンマリ。嬉しいなあ。いかにもPCで描きました、という絵ではなく、手描きに見えるように描くことに苦心したので。
それとは別に、まったくの手描きイラストも。
これは、2013年6月に町田市立国際版画美術館で開催されていた「空想の建築―ピラネージから野又穫へ―」を見に行って、ものすごく触発されて描いた絵です。
ちょっとこれを見てください。グーグルで「空想建築」と検索すると、なんと野又穫さんやピラネージと言った錚々たる芸術家の絵に混じって、私のイラストが出てくるんです!

いや、そういうタイトルでブログ書いたから、検索に引っかかるのは当然なんだけど、芸術家の中に混じって出てくるって、なんだかスゴイ感じがします!! 小さいので密度が上がって、なんだかいい感じだし!
『空想の建築』展を見た後、ものすごく楽しくなって、いろんな空想建築物をコピー用紙の裏にガンガン描きました。

特に、小島というか、岩礁の上に建つお城は、給水塔を作らないと生活できない、それはどの位置にあるのか、岩の形はどうなのか、を考えながら側面図を作製。
給水塔の高さに樽に入れた水をあげるのに人力では大変だから波力の水車を作ってみよう、なんて設定を入れ込んでみたり。

基本的にこれは昔の設定で、電気は無し。人力と水力(波力)と風力くらいしか使えない、という設定。
水を運ぶには、陸からだから、その陸とどのくらい離れているのか、城の配置図と俯瞰図も。

そんなの現実にはありえねーよ、と思うかもしれませんが、そこがホラ、空想建築だから。
と、そんなことを考えながら2年前にスケッチを何枚か描いたのでした。
それをもとに着彩したのがこちら。

この絵をパッと見て「ちゃんと給水塔まである!」とすぐに言ったのはイラストレーターの後藤和実さん。細かなこだわりに気づいてくれると、嬉しいですねえ!
石垣の角のほうは大きな石を使ってあるけど、運ぶのが大変なので、他の部分は小さめの石を使ってあります。崖の色が変わっているところが満潮時の潮位。岩窟の中は砂地になっていて、小舟の船着き場になっています。(岩や水を運ぶ大きな船は島の裏に船着き場があります。と、細かな設定を考えるのがすごく楽しかった。
誰がすんでるの? とよく聞かれるんだけど、「時の権力者」としか答えようがない。でも、時の権力者が捕えてきた敵の殿様とか姫君を幽閉している城、というのもいいな。幽閉城のほうが面白い。兵糧攻めに弱そうな城だけど、凧を使って食料を運ぶこともありかも。ホラ、どんどんいろんな設定が思い浮かびます。空想だから、ね。
空想の建築展を見て、「絵って、自分の好きに、自由に、絵空事を描いてもいいんだ!」と、当たり前のことに気付いたのが、このシリーズの始まり。絵に描いた絵でいいんだ! 空想なんだもん。
というわけで、こちらは空飛ぶ美術館。そんな大きなものがどうやって空を飛ぶんだ、という疑問なんかどうでもいいの、空想だから。

子供の頃、山奥の田舎に住んでいたから美術館なんて行ったことがなかった。だから、美術館の方から田舎へ来てくれれば楽しいし!
かぼちゃの美術館、きゅうりはミュージアムショップかレストランでもいいかな。玉ねぎは資料館。
この大きな建造物が空を飛んで、日本中、世界中どこでも行ってくれて、着地する場所がなければ海に浮かべてもいいし。
いいなあ、そんな美術館、出来ないかな~。
そんなことを説明していると、お客様もニコニコして聞いてくれました。
ああ楽しかった!
スケッチはまだあるので、また描いてみよう。次の展示会はいつやるの?と聞かれて、これも嬉しかった。次はまだ全然決まっていないけれど、その時はきっと空想建築物がもっと増えていると思います。
お楽しみに~!