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赤星たみこの戯言・放言・虚言日記♪ akaboshi.exblog.jp

漫画家・赤星たみこの日記です。 


by akaboshi_tamiko

三丁目の夕日のセーター

先月、BSで「三丁目の夕日」をやったのを見ました。うちにもDVDがあって、ときどき見ます。

昭和30年代の東京。建設途中の東京タワーが見える街並み、小さなオート三輪車ミゼット、集団就職の中学生たち。

風景をリアルに再現するために時代考証がしっかりなされていて、風景のCGもすごく話題になった映画でした。

さて、この映画に出てくる子供たちは、毛玉だらけのセーターを着ています。
日本中がまだ貧しくて、新しい服をとっかえひっかえ着られるわけではない時代、そういう時代の表現として、毛玉だらけのセーターを着ているんだけど...。

毛玉があれくらいたくさん出るというのは、アクリルのセーターでしょうか。
でも、あの当時、アクリルのセーターはあったのかなあ?

私が子供時代、まさに昭和30年代~40年代初めには、アクリルのセーターは着たことがなく、すべて純毛のセーターでした。
「純毛」というと、すごく豪華な感じがするかもしれないけど、いやいや、当時は化繊がなくて、羊毛で作るしかなかったんです。

そして、毛のセーターは、毛玉ができません。
まったくできないかというと、まあ編み方とか毛糸の撚り方で出来る場合もあるとは思いますが、まず、できません。

毛玉は、繊維がねじれて玉になったもの。繊維が強いとなかなか千切れず本体に残ってしまいます。
アクリルなどの化学繊維はすごく強くて丈夫なので、毛玉が落ちず、セーター本体に残ってしまうのです。

羊毛などの天然繊維は繊維が弱いので、毛玉が出来てもすぐに千切れてしまい、セーター本体に残りません。だから毛玉がないんです。

ねじれて玉になった繊維が落ちていく、ということは、セーターの肘とか袖口とか、薄くなります。だから、昔の子供は袖や肘が薄くなったセーターをよく着ていました。
私の持っていたセーターも、肘がスケスケになるくらい薄くなったものとかありましたねえ…。

その穴に継ぎを当てたり、小間物屋さんのおばさんに編み直しを頼んだりして着たものです。

だから、昭和30年代の裕福ではない暮らしなら、毛玉より薄くなったセーターのほうがリアリティあるなあ、なんて思いながら見ていました。

でも、東京と、宮崎の山奥の小さな町、しかも昭和30年代ですから、売られているものにタイムラグがあります。

というわけで、ちょっと検索してみたら、アクリル繊維が日本で生産開始されたのが1957年だそうです。

東京タワーが完成したのが1958年。映画では建設途中なので、1957年の風景。
アクリル繊維の生産が始まった直後の話なので、やっぱりアクリルのセーターや、アクリルの毛糸玉は東京では売られていたのかもしれません。

でも、私の子供時代は、山奥の小さな町だったので、まだアクリルのセーター(既製品)は売られてなかったように記憶しています。
周りの友だちも、多分みんな、アクリルのセーターなんてハイカラな物は着ていなかったような…。

なんだか、いろいろ子供の頃のセーターやマフラーを思い出してきました。
毛糸の匂いとか、首に当たる感触とか、友だちが着ていたセーターのデザインとか、いろいろ思い出すなあ...。
小学校の頃のことが、セーターをきっかけにどんどん頭に湧いてきます。

やっぱり三丁目の夕日は昭和のスイッチが入りますね。
セーターだけで、いろんなことが書けそうです。
Commented at 2016-02-12 16:45 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by akaboshi_tamiko at 2016-02-12 18:52
★鍵コメントさん
私も今、ウキペディアを見てみました。

1957年(昭和32年)

5月8日 - 管理会社となる日本電波塔株式会社を創立。
6月29日 - 地鎮祭が執り行われ着工。
7月15日 - 設計図の作成が終了。
9月21日 - 塔脚第一柱を設置し、定礎式を挙行。

1958年(昭和33年)

10月9日 - 審査会において愛称「東京タワー」を決定。
10月14日 - アンテナ(80m)を設置。
12月7日 - 公開開始(プレオープン)。
12月23日 - 完工式挙行、正式オープン。
12月24日 - 9時より一般公開。

でした!
どこで68年になったのかな、、、、
というか、58の書き間違いです!!
直しておきます!!
ありがとうございました!
by akaboshi_tamiko | 2016-02-12 14:15 | 読んだ観た聴いた | Trackback | Comments(2)