ケリー国務長官が初めて被爆地訪問
米ケリー国務長官 被爆地訪問の意義を強調
もともと広島市でG7が開催されていたので、広島まで行ってるのに、原爆記念館を訪れないほうが不自然でしょう。でも、いろんなしがらみがあって、現役閣僚は訪れていなかったんですよね。
つい最近、世界で一番貧しい大統領と評されていた、ウルグアイのムヒカ前大統領も「日本に来たらここへ来るのは義務だ」とおっしゃって原爆記念館を訪れました。
私も何度か訪れています。長崎の原爆記念館にも修学旅行で行きました。広島、長崎に行ったら一度は行かねばならない場所だと思います。
ムヒカ氏はノートに「原爆の愚かさを忘れていはいけない、人間は同じ石に何度もつまずく唯一の存在だから」(大意)と記帳したそうです。本当にそう思います。
ケリー長官は、アメリカの現役閣僚として初めて訪れたわけですが、「すべての人が広島に来るべきで、アメリカ大統領にもその一人になってほしい」と、オバマ大統領も来るべきだという考えを表明しました。
日本人の心根として、アメリカ大統領に来てもらって、補償しろとか謝罪しろとか、そういうことを言いたいわけじゃないと思います。
もちろん、当事者の方たちには複雑な思いがあるでしょうが、多くの日本人は、今現在、原爆投下に直接手を下したわけではない若い世代のアメリカ人に無理やり謝らせようとしているのではなく、「とにかく戦争は悲惨である」「とにかく原爆は悲惨である」ということを見てもらいたい気持ちのほうが強いのだと、私は考えています。
広島にアメリカの現役閣僚が訪れた、ということが戦後71年目にようやく実現したことに対して、いろいろと思うことはたくさんあるのですが…。でも、物事が少し、ほんの一歩だけ進んだような気もします。
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