別れの日、晴天。
そら吉を庭に埋葬し、お別れをした。近所の石田さんが自分の家の庭から菊の花を切ってもってきてくださった。
秋の日差しがさんさんと降り注ぐ中、そら吉を見ると、まるで生きているように、毛並みもつやつやしていた。
元気な時は、こんなに元気だったのに。
羽根はたきを振って音を立てると、そら吉は耳をピッと立ててすぐに追いかけてきて、壁もするすると登って行った。
ここ2か月近く食事がうまく取れなくて、最後の3週間は点滴と、二回だけ食べてくれたほんの少しのキャットフードだけだったから、背中ががりがりに痩せて、小さくなっていた。
だけど、本当はけっこう大きな猫だった。
この写真は、読売新聞の取材で撮っていただいたもので、封筒に入って本棚に入れてあったのを忘れていたものだ。
そら吉がなくなってから何気なく本棚を見たら黄色い封筒があって、これ、片づけなきゃと思って開けてみたら、そら吉と私の写真が入っていて、びっくりした。そういえば、こんな写真撮ってもらったんだった!
そら吉はきっと幸せだったんじゃないかな…。この写真を見るとそう思う。楽しそうな写真もたくさんあるし、10歳とは短い生涯だったけど、私の中ではほかの猫と同じくらいの重さの思い出がある。
そら吉は幸せな生涯だったと、思います。
たくさんの方に励ましの言葉、お悔やみの言葉をいただきました。ありがとうございました。私も新野も、本当に励まされ、ありがたかったです。
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