帯の長さ、帯締めの長さ
私だけでなく、義弟のお嫁さんにも、茶色と金色の美しい模様が散らしてある訪問着をおそろいで誂えてくれた。
おそろいと言っても、ちょっと柄を変えてあって、印象の違うものになっていた。帯や帯揚げもちょっとずつ変えてあって、二人に合うよう、義母が心を込めてくれたのだろうな、、、と思うような着物だった。
残念なことに、作ってもらった当時は私もそんなに着物に興味がなく、年に一回着るか着ないか、くらいの頻度で、もちろん、自分では着れないし、着物のたたみ方も知らないというお粗末な嫁だったし、義母はちょっとがっかりしていたかもしれない。
でも、それから20年近く経って、ようやく私にも着物に対する興味がわき、自力で着付けもできるようになった。それを一番喜んでくれたのが義母で、「あんたが着物を着るようになってこんなにうれしいことはないよ」とよく言ってくれた。
さて、義母は私に喪服も誂えてくれていたのだが、これが結婚直後だったのである。
そのころ、私はやせていた。・・・今より、10キロ以上やせていた…
着物のいいところは、多少太ったりやせたりしても身頃の重なりを深くしたり浅くしたりで調節が利くというところだ。多少デブってもOK。
確かに、10キロ増えても着物は何とかなった。
しかし、、、、
帯のサイズ、私が一番やせているときのサイズで誂えたのである。み、短い・・・・・ちょっとだけ、なんだけど、短い・・・
帯締めも、、、、み、短い、、、、、
葬儀の時、喪服を着たのはいいけれど、帯の「テ」が1センチくらい出すところ、全然でなくて、何度も締めなおした。なんとかテが出るようぎゅうぎゅう引っ張って、ようやく左右1センチ弱くらい出るようになって、、、、
帯締めも左右の房を下に向けるように挟み込むとき、かっこよくなってくれず、かなり苦労した。
お義母さん、、、、、
見てて、私もう少し、やせるわ。そうしないと、おかあさんからもらったほかの着物(義母サイズ)のものがほんとに入らなくなるし。
義母の遺影に向かって手を合わせながら、私は固く決心したのであった。
やせるわ・・・
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