2017年 02月 15日
ルカッツミーは正しい
安倍晋三首相がトランプ大統領と握手をしていて、日本のカメラマンが「こちらお願いします」と声をかけた。
トランプ氏が安倍氏に「なんて言ったの?」と聞いたので、安倍氏は「私(の方)を見てください」と、カメラマンの言葉を直接そのまま訳したのだった。
具体的には「プリーズ、ルカッツミー」(Please, look at me.)と。
これはカメラマンの言葉の訳として全然間違ってないと思う。「こちらお願いします」というのは「こっち見てください」という意味だから。100%正しい英語だ。
でも、トランプはLook at me.をそのまま安倍氏の言葉として受け止め、首相をじっと見つめたのだった…。
(この勘違いに、動画見ながら思わず吹き出してしまった)
このとき安倍氏がHe said "Please look at me." と「彼が言ったのは」をつけていれば、トランプもカメラマンの方を見たと思う。
ヒーセッドがあれば会見は普通に流れていったはずだ。(でも印象には残らないし、面白くもない)
ヒーセッドがないからこそ、流れがちょっと面白い方向へ向いたのだった。英語の間違いではないしね。
それから、この会見で私が不思議に思ったのは、トランプのまっすぐな視線。
安倍氏が「プリーズ、ルカッツミー」と言うと、大統領、すぐに、なんのテレも衒いもなくまっすぐ首相を見つめたのは、「日本のメディアは日米の首脳が仲良く見つめあっている写真が欲しいんだろうな」と考えたのかもしれない。
日本向けのサービス? それともただ単に、あんなにまっすぐ見つめあうのはアメリカの文化?
どっちなんだろう?
まあ、日本の文化ではあまり見つめ合わないので照れるけど、アメリカ文化では結構照れずに見つめあうので、そこはあまり不思議ではないのかな。あんなにまっすぐに見つめられたら、好かれているのかも、って誤解しちゃうけど、それはそれ、あまり本気に取らない方がいいかもしれないですよ、安倍さん。
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