残り湯
毎日新聞のコラムに、お風呂の残り湯を使うことを書きました。
残り湯をそのまま捨てるのはもったいないですよね。ぜひ洗濯に利用しましょう、という記事です。
「お風呂の残り湯を洗濯に使うこと」に反対する派と、賛成する派がいるのですが、反対派の根拠はほとんどが「残り湯には雑菌があるので不潔だ」というもの。
しかし、残り湯の雑菌って、そんなに問題でしょうか?
うちで、残り湯だけで「洗い」と「すすぎ」をやった場合と、「洗い」は残り湯「すすぎ」は水道水 という2パターンの洗濯をやってみて、洗いあがりの違いを観察してみました。
結果はどちらもキレイに洗いあがり、においも無く、ちゃんと洗濯できました。
なぜ?
水道水より明らかに雑菌が多いはずの残り湯ですすぎまでやったのに臭いがなかったのか?
そもそも、洗濯物が臭うのはなぜか?
ある合成洗剤のCMで言ってましたが、部屋干しすると臭うのは、衣類から落としきれなかった皮脂汚れにバクテリアが繁殖して臭いを出すから。
ということは、衣類から皮脂汚れがちゃんと落ちていれば臭いは出ないわけです。
雑菌のない水道水だけで洗濯しても、皮脂汚れが残っていれば臭いが出ます。
雑菌のある残り湯で洗濯しても、皮脂汚れが残っていなければ、雑菌が繁殖するエサがないわけだから、それ以上繁殖せず、乾燥に弱い雑菌は干しているうちに死んでしまいます。
それで、残り湯を使っても、皮脂汚れがちゃんと落ちて、ちゃんと乾燥させれば大丈夫、ってわけです。特にせっけんをちゃんと使うと、皮脂汚れがちゃんと落ちるので、残り湯を使っても全然臭わないんですね。
雑菌を理由に残り湯を使うのをためらっているひとは、もったいないですよ~。
せっけんじゃないから皮脂汚れが落ちにくくて、ちょっと心配、という人は、まあ、最後のすすぎだけは水道水にしてみるとか、残り湯に酸素系漂白剤を溶かしておくと殺菌にもなるし、心配ないと思うんだけどなあ。
それに、残り湯を汲むポンプもあるし、使うと超便利! 自分で汲み上げるより時間の節約にもなるしね!
もちろん、自分の力で汲み上げるほうが電気代もポンプ代もかからないでしょうが、そこまで時間をかけるのはもったいない。ポンプにかかる電気代なんて微々たるものです。あるお便りで、「ポンプ代がもったいない、使用するエネルギーがもったいない、自力で汲み上げることのできない体の弱い人は、そのまま捨てた方がいい」と言われたのですが、それ、水資源(水道代)のことが視点から抜けているのではないでしょうか。
ポンプで使う電気代と洗濯に使う新しい水道代を考えたら、水道代のほうが高くつくと思いますよ~。