まことしやかな間違い
昨日の日記で、「ドラム式洗濯機は泡を立てると泡がクッションになってたたきつけ洗いがうまくできない」という理論は間違いである、と書きました。
今回は、洗濯の話というより、「まことしやかなウソがなぜはびこるのか」という考察です。
確かに、初めてドラム式洗濯機の泡がモクモクとたくさん立っている状態を見ると、あまりにもみっしり泡が詰まっているのでクッションになりそうな気がしますよね。一見、正しそうな気がします。
こういうのが危ないと思います。
一見正しそう、というか、「なるほどねえ」と思わせてしまうようなことだから、はびこるのではないでしょうか。
これって、あれに似ているなあ。
スキーのジャンプ競技で、日本でまことしやかにささやかれているあのうわさ。
「スキーのジャンプはもともと北欧の国で、刑罰としてやられていたものをスポーツにしたものである」といううわさですが、あれウソですからね!
何年か前にテレビで検証していました。スウェーデンだったかノルウェイだったか、ジャンプ発祥の地に行って、そのうわさをスキー協会の人に聞いていました。
そうしたら、スキー協会の人は「そんな話聞いたことがない」と全面否定。
ジャンプ=刑罰だった というのはまったくのガセネタだったということが露呈してしまったのです!
なぜそんなウソがはびこったのか。
スキーのジャンプを初めて見た人、やってみた人は、とにかく恐怖心が出るし、「うわ、怖い! これって刑罰にしてもいいくらい怖いよね」と思ったんでしょう。そこまでは私も理解できます。
そして、それを「ジャンプ競技って、刑罰みたいに怖いんだよ」と、まず誰かに言う。
それを聞いた人は「ジャンプ競技って刑罰みたいなんだって」→「ジャンプ競技って刑罰なんだって」→「ジャンプ競技って刑罰が元なんだって」となっていったのでは、と私は推測するわけです。
まことしやかなウソ、というのは、たいていが「○○って△△みたいだよね」と、いかにもありそうなことがまず言われ始め、そのうちそれが「○○って△△だよね」に変化していったものだと思います。
一見ありそうな、まことしやかなことだけに、みんなが信じてしまってはびこるんですよね。泡のクッションも、スキーの刑罰も。