俳句の解釈 いろいろあるなあ
山眠り火種のごとく妻が居り 村越化石
これの「火種」というのをどうとらえるかで、俳句の意味が全然違ってくるんですね。
私と夫は「火種」を不穏なものとしてとらえたんだけど、一般的には「暖かいもの」としてとらえる人のほうが多いのかも。
友人の黒豆さんは「私はむしろあったかい句なのではと思いました」と感想をくれました。
「冬になって寒い夜だけど、小さな火種くらいだが、そばに心を暖めてくれる妻がいてくれる」という風にとったとのこと。
そうかー、うちの場合は、夫は消防士の息子で、小さなころから「火種」は危ないもの、すぐ消さねばならないもの、という薫陶を受けて育っているので、火種からすぐに「怖ろしい…」となったようです。
私も元々「火種」は「戦争の火種」「いさかいの元」というようなイメージがあるのです。
ガスの種火、とか、種火がついている、というように、種と火が逆になっていると、ぬくもりのある小さな焔に感じるんだけど、「火種」はヤバいもの、って感じです。
黒豆さんがもう一つブログを紹介してくれました。
村越化石自選句集『籠枕』
このブログには、句集『籠枕』の解説と、「山眠る…」について村越化石氏が言及している部分があって、これもまた「いつも温かみをもっていてくれる妻への感謝の句」とありました。
そうか~~、あたたかな感謝の句を、夫婦二人して「諍いの句」と解釈してしまうのは、我々夫婦の日常がしのばれますね!
って、そういうわけじゃないんだけど、うちは二人ともなぜか「火種」を危険なものとしてとらえていたのが、似たもの夫婦なんですかねー。
俳句の解釈はいろいろあって面白い!