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赤星たみこの戯言・放言・虚言日記♪ akaboshi.exblog.jp

漫画家・赤星たみこの日記です。 


by akaboshi_tamiko

わたしの家族3 いよいよ末っ子の描写が!

姉が小学生のころに書いた作文がとても好評だ。
じっくりと家族を観察し、なんの忖度もせず、思ったこと、聞いたことをズバリ書いているだけ。子供って大人の言葉をよくきいているんだよなあ…。

しかし、これがすごい。子供の文章で一番面白いのは、聞いたことをそのまま書いたり、思ったことをそのまま書くところだ。

さて、今日はいよいよ姉が私を描写した部分だ。そうだ、こんな子供だったよ、私は…。そして、それは大人たちが私のことをそう言っていたのを姉が聞いていたのだ。

そのあとに、もう一人の姉の話も出てくる。これも我が家では大うけした描写だ。ねーちゃん、すごいよ。(どっちの姉も、ね)


わたしの家族3
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 次に わがやのいちばんのきかんぼうである 末子のたみ子のことを考えた。すこしおしゃれで、自分の気に入った服しかきない。
「これとこれは、にあわない」といってだだをこねる。本がすきで、小学二、三年の本をぺらぺら読んで一さつの本を一時間ぐらいで読んでしまう。

 ときどき自分でおはなしを作ったり まんがをかいたりして、おとなの人をおどろかせる。
 いったい おとなになってなにになるのかわからない。わたしの考えでは、おしゃれでかってきままなおとなになりそうで少し心配だ。

 せいしつはかってやさんで 少女の週刊誌をかってくると「わたしが一よ。」といってジャンケンでまけても「わたしよ わたしよ。」といってさきによんでしまう。よませないとかみついたりする。こんなあらっぽいせいしつである。
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 すこし こましゃくれで 母が食ごのくだものをもってくると、「おっ きまえいいぞ」といって わたしたちをわらわせる。

 この妹にたいして わたしのすぐ下の妹の利枝(りえ)は 少しちがっている。
 三年生でみかけは 目がくりくりして とてもかわいく 先生の前や人のまえでは ふつうのていねいなことばをつかう。だからせいしつをしらない人がみると、かわいくりこうそうにみえるだろうが せいしつはまるで正はんたい。もし勉強しているときわたしがちょっとでうたったりすると、ヒステリーをおこして「いーだまっちょけ。」とおこる。

 肉が大こうぶつで 人の肉までほしがる。あそびからかえると「あーひもじい あーひもじい。」といってかつえる。かつえんぼうである。また末子のたみ子のよいあそびあいてである。わたしが、つごうであそんでやれない時は、よく遊んでやっている。
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 わからない宿題を、親切に おしえてやると「ちがわーい。」といって ヒステリーをおこしてしまうこんなせいしつだ。
 いちばんこまるのは、わたしにけんかをしかけてくることだ。もしわたしがポンとかたをたたいてあやまると それでは、すまんといってたたきかえす。これがけんかのもとになることが多い。

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このページの後半は姉が自分自身について語っているのだが、それは明日。

私は「すこしおしゃれで自分の気に入った服しかきない」というのは、ちょっと違うのだ。私にはものすごいこだわり癖があり、自分で決めたルールからずれると気持ちが悪く、それ以外のことはできなかったのだ。

この服は襟元がチクチクするからこの下にこれを着なければならない、と言いたいのだが、それを言葉で表現できなかったりして、とにかくカンシャクを起こしていた。(日之影の方言では「とんきろを起こす」という)

それから…確かに、かみつき癖があった。
自分のルールから外れるとカンシャクを起こしていたから、「きかんぼう」とか「かってやさん」と呼ばれていた。本を買って来たら最初に読まねばならなかったのに、それを理解してもらえなくて噛みついていた。

ルールに基づいた独自のファッションセンスもあったが、それは長くなるのでまたあとで。

そして利枝姉の「かつえんぼう」。これはもう、読んだ瞬間に大笑い。確かに、ねーちゃんはかつえんぼうだった!

「かつえる」は漢字で「飢える」と書く。飢餓状態のことだ。おなかがすいて、空腹になって、飢えていることが「かつえる」だ。そして、いつもかつえている子のことを、「かつえんぼう」と、私の家では言っていたのだ。
(「~~ぼう」は、「~~坊」のこと。主に子供のことをさす)

まあ、子供の私を表現するのに、一番ぴったりなのが「きかんぼう」だろうし、利枝姉を表現するのに「かつえんぼう」はかなり当たっていると思う。

実は、この作文を書いた姉(公代)に関しては、ひとつぴったりな表現がある。「ずそご」とか「ずぅそご」というものだが、これは完全な日之影の方言。これがわかる人はかなりの日之影弁の使い手だ。
(意味はこの作文シリーズの最後に説明します。お楽しみに~!)



by akaboshi_tamiko | 2018-07-19 18:00 | ふるさと関連 | Trackback | Comments(0)