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赤星たみこの戯言・放言・虚言日記♪ akaboshi.exblog.jp

漫画家・赤星たみこの日記です。 


by akaboshi_tamiko

「わたしの家族」7 女王様かっ!!

私の姉の思い出話を。

3歳年上の姉、利枝は、私をよくいじめていた。本人はいじめているつもりはないのだと思うが、子供時代の三歳違いは体力に大きな差がある。女の子なので殴る蹴るはないけど、言葉の暴力が多かったかな。あと、ものすごく理不尽な要求が多かった。

確か、あれは私が小学校1年生、姉は小学校4年生くらいの頃だったと思う。

ある夜、私は家の二階で寝る用意をしていた。布団を敷き、ゴロンと横になっていた。

そこへ姉がぴょんぴょん飛び跳ねながらやってきた。そして私の顔の前に足を突き出して、いきなり
足の裏、なめてん
と言ったのだ。

「なめてん」というのは、「なめなさい」という意味の方言である。
が、誰だって足の裏をなめるのは嫌だ。当然私は拒否した。

すると姉は、「風呂場からケンケンで来て、こっちの足は床についちょらんから、きれいじゃから! いいから、なめてみね!」と言うのだ。
(「なめてみね」は、なめてみなさい、という意味。「なめてん」よりはやや優しくなっている)

それも拒否すると、「なんでよ、風呂できれいに洗ったき、キレイじゃき、なめてん大丈夫じゃから、全然汚れちょらんちゃから、絶対大丈夫、きれいじゃなら!」と、足の裏がどれだけ清潔かを延々と説明し始めた。

あんまりあれこれ言われるので、私はついに姉の足の裏をなめたのであ~る!

「どんげな味がする?」
姉は目を輝かせて私に聞いた。
(そうか、姉はきれいに洗った足の裏はどんな味がするのか知りたかったのか!)

舌の先で姉のかかとを一瞬だけなめたとき、お風呂のお湯の味、というか、水の味しかしなかった。

それは確かに、清潔だったと思う。そして、ケンケンで上がってきたという、床についたほうの足はなめさせなかったから、なんと優しい姉であることよ。(ウソ。心にもないことを…)

……いやいや、自分の好奇心のために、足の裏を私になめさせた姉、変わった人だよなあ。自分でなめればいいのに。

しかし、姉はほかにもいろんなことを私に強要していたのだが、あれはストレス発散のためだったのかも。いつもピリピリしていたように思う。

ストレスを発散する対象が、私だったのかな。
末っ子はつらいよね…。


by akaboshi_tamiko | 2018-07-23 18:00 | Trackback | Comments(0)