先日、アメリカからやってきた4人の若者、漫画家の阿部ゆたかさん、イラストレーターの天野恭子さんと一緒に寺田克也さんの個展、
寺田器波佐見焼セカンドショー に行ってきた。
いやーとにかくかっこいい寺田さんのイラスト!(写真は風呂敷。このほかにイラストが焼き付けられた波佐見焼のお皿や器、Tシャツ、イラスト集などが売られていました。どれもかっこよくて、イラスト集にはかっこいいサインが入っていてお買い得でしたよ!)
さて、アメリカ人の4人というのは、イラストレーター、Tシャツなど衣類のデザイナー、写真家、コスプレイヤーという、みんなアート系の人たち。全員が寺田克也さんのファンであり、全員が日本のマンガが大好き。
プロの日本の漫画家とイラストレーター(私、阿部さん、恭子ちゃん)と、アメリカ人の4人は日本の漫画について熱く語り合ったのだが、このとき、アメリカ人の4人からは「コミック」という言葉は一切出てこず、すべて「マンガ」だった。
そうなんだよね、今や海外では漫画は「マンガ」なのだ。
漫画家もカトゥーニスト(cartoonist)ではなく、マンガアーティストでOK。
彼らは本当にすごいマンガファンで、古いマンガもよく知っていた。
有名どころの漫画家の名前はほぼ網羅していて、あとは日本映画、日本アニメに関しても詳しかった。
しかも、アニメのタイトルだけでなく、監督の名前も次々に出てくるという、完璧さ!
古い漫画は私も当然知っているから話が分かりやすいんだけど、彼らはさすがに20代だけあって、私が知らないような最新の漫画もよく読んでいた。かえって私が彼らから情報をもらうという始末。ありがたい。
とにかく、彼らのマンガに対するリスペクトがすごくて、感動的な飲み会だったのだ。
ところで。
40年前、私が漫画家になったころは、私の周りの漫画家の友人たちは、みんなマンガと言っていた。なのに編集長クラスの人たちがコミックと言ってたんだよなあ。
80年代半ば過ぎにはすでに大友克洋さんが海外で人気を博していたし、どんどん日本のマンガやアニメが広まっていく中、私と同世代の漫画家たちは「漫画でいいじゃん、コミックなんて言わなくてもねえ」と話していたのだった。
コミックと言わずとも、マンガで通じる。マンガは今や世界語なんだから。
クールジャパンを推し進めようとしている政府の方々、その辺、ちゃんと理解しているのかなあ…。クールジャパンのやり方がどうもおかしい、という記事を読むたびに、心配が募るのだった…。