広島空港
今日は広島県三原市で講演でした。
朝11時半に広島行きの飛行機に乗る予定が、広島空港が濃霧のため出発が遅れました。
1時間も遅れ、出発は12時半。濃霧が晴れなければもしかしたら福岡空港に行くか、羽田まで引き返すこともありうる、とのアナウンスがありました。
広島空港は厚い雲に覆われ、霧もでていたようです。
1時半ごろ、空港近くに来た機体は、着陸態勢に入りました。窓の外は厚い雲しか見えず、機内のスクリーンに映っているのも白い雲ばかり。
ふと、雲が切れ、視界が開けた瞬間、そこに見えたのは滑走路の白いライン!! 地面が目の前にあったんです!!
げ、激突??!! と思った瞬間、飛行機の後方がグッと下がったっ!!
ああっ、墜落!? と血の気が引きました。
じゃなくて、機首がググッと上がって急上昇していたんです。
機体がもう一度グーーッと上昇したときにアナウンスがありました。
「一度着陸を試みましたが、厚い雲がありましたので、もう一度上昇し、着陸します。飛行の安全には問題ありません」
(と、誰だって言うだろうけどね、こういう場合)
機体は旋回しながら上昇し、また着陸態勢に入りましたが、30分ほど上がったり下がったりをしていたようです。
下で迎えに来ていた方が、3度ほど近づいてはまた上昇していた、とおっしゃっていましたから。
最初の着陸を取りやめてから、ちゃんと着陸するまでに30分ほどかかりました。
その間、私の隣の席の男性は、座席のポケットから「安全の手引き」を出して、しっかり目を通していました。
私も、緊急脱出口の位置など確認しましたよ。
着陸したときには拍手が起きるかな、と思ったけれど、強風で揺れたとか、そういうのではなくて、濃霧で滑走路が見えなくて時間がかかったというやつなので、乗客の不安感はそれほどなかったのだと思います。拍手は出なかったけど、霧の合間を縫ってズシン!! という感じで着陸しました。
最終的に着陸したからよかったけれど、もしそのときも滑走路が近すぎてオーバーランしそうなときはまた上昇しなければならないので、速度をあまり落とせないのだそうです。だから、普通の着陸よりスピードがあったのでしょう。ズシン!! と、大きく響く着陸でした。
飛行機マニアのしんちゃんに言わせると、すごく上手いパイロットだそうです。こういう濃霧のときの着陸は、本当に難しいそうです。
実は私、旋回中の30分に、遺書を書こうかな、と思ったくらいです。
そのことをあとでしんちゃんに言ったら、「オレも、最初に地面がいきなり見えたときは、ダメかな、と思ったよ」と言ってました。いや~、すごい体験でした。
空港から車で講演会場へすぐに向かいましたが、本来なら12時半についていたはずなのが2時着です。講演開始時間には間に合わない!!
でも、到着してすぐに講演を開始することにして、20分遅れで始めました。
遅れたのにもかかわらず、観客の皆さんはちゃんと待っていてくださって、温かい拍手をいただきました。ありがとうございました。