竹橋の近代美術館の「このどうしようもない世界を笑い飛ばせ 福沢一郎展」を見てきました。その感想はまたあとで。
今回も近代美術館でやっている所蔵品ガイドツアーについて。
以前、実際にツアーに参加したことがあって、梅原龍三郎の絵についていろいろ思うことがあった。
(興味のある方はこちらをどうぞ→
梅原龍三郎はナルシストか?)
さて今回は李 禹煥(リ・ウーファン、Lee U-Fan)の絵について。
この絵の前をたまたま通りかかったら、ガイドの女性が参加者の方たちに説明をしているところだった。

「作者は呼吸のリズムにのせて筆を動かしてこの絵を描いています。筆のストロークが…」というような説明が聞こえた。

これを聞いた年配の男性が「これは筆なんですか?」と質問した。
ガイド「ええ、筆です」
参加者「でも、どうして上のほうに白いカスレがあるんですか?」
確かに、すべての線の始まりにきれいに白いカスレが入っている。そのカスレというか、白い部分がどうしてできたのかが不思議なようだ。

ふつう、筆に絵の具をつけてそれで線を引くと、こんな感じで白いカスレはなかなか出にくい。白い部分を出すにはいくつかの方法がある。

この絵にあるような白い部分は、筆に青い絵の具を含ませたあとに白い絵の具をちょこっとつけて描いたんだろうな、と思っていた。こんな感じ。↓↓

これだと頭のところにちょこっとだけ白が入ると思う。(または、下地の白がまだ乾いていないときに筆をおいたのかもしれない。いろいろテクは考えられる)
しかし、ガイドの方は答えにくそうだった。
ガイド「そうですねえ、どうしてなんでしょうね」
参加者「これはもしかしたら横にして描いたのかもしれないですね」
ガイド「それは新説ですね!」
ガイドの方もこういう質問が来るとは想定していなかったと思う。でも、困っているようには見えなくて、楽しそうに参加者の方と会話していたのが見えた。
美術は、いろんなことを思いついて、みんなであれこれ話すのが楽しいんだよね。
技法のことがわかる人がいたら、かえってそこで話が終わってつまらなくなるかもしれない。
私の思いついた技法以外にも、あの白い部分を出す方法はあると思うけど、そういう技法を考えるのもまた楽しい。
美術はやっぱりいろんなことを話して楽しむのが好きだな。と思った日でした。
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