12月24日に腸閉塞の手術をして無事生還したむふ子。
24日の夜、無事に手術が終わりました、という連絡をもらった時は本当にうれしかった。
今までで一番うれしいクリスマスプレゼントだ。
しかし、昨日も書いたけれど、むふ子の症状は本当にまずい状況だったようだ。
近所のかかりつけのY病院で「大きなところで内視鏡かCT検査受けるほうがいいかも」と言われて、翌日すぐに大きな病院へ連れて行ったのだが、通常、そういう検査には予約が必要だ。連れて行ってすぐにやってもらえるわけではない。
S病院も、症状が全く分からない猫を連れてきていきなり「内視鏡かCTやってください」という飼い主が現れたら「今日のところは先にかかりつけの病院で治療を受けてください」となるのが当たり前だろう。
予約無しでむふ子を連れて行ったのは(一応紹介状を持って行ったとはいえ)、S病院の先生も最初はきっと「やれやれ…」と思ったに違いない。
しかし、診察室でむふ子を一目見た先生は、顔色を変えた。あまりにもぐったりしているむふ子。
すぐに「検査しましょう」と言ってくださった。
「明日まで待たなくてよかったです」とおっしゃったのを聞いたときは、思わず血の気が引いた。
明日まで待っていたら、本当にむふ子は死んでいたかもしれない。
夜じゅうずっと弱っていくのを見て朝まで待つしかなかったのかもしれない。
よかった、本当に、待たずに今日連れてきてよかった。
血液検査やエコーの画像を見ながら説明を受けると、やはりおなかに異物があるようだ。
この異物がどこにあるのか、詳しく調べるにはレントゲンなのだが、それをやるにはバリウムを飲ませねばならない。しかし、エコーの画像では胃に液体がたくさんたまっていて、バリウムが入らないとのこと。
内視鏡を胃まで入れて、そこで液体を抜いてからそのあとの処置をするという説明を受けた。
(私も夫もがっくり気落ちしているので、けっこう記憶は不鮮明。言葉や説明は不正確かも。)
手術をすれば助かるのかどうか、費用はどれくらいかかるのかを聞く。
手術で助かるのかどうか、という言葉に、先生はちょっと返事をためらっていた。
一瞬、というには少し長い間があって…。
この弱り方を見ると、開腹手術をして、腸なのか十二指腸なのか、とにかくどこかにある異物を摘出しても、腸管が壊死していることもあるし、手術中に亡くなってしまうことも考えられる。手術が成功したとしても、そのあとの腹膜炎などほかの症状が出ることも考えられる。
先生の顔も暗い…。
それくらい重篤な状態のようだ。
今のこの弱り方では、手術しても助からないこともあります…という先生の説明を受けながら、私は、むふ子の名前を後悔していた。
むふ子は、今までうちにいたムラヤマとふふみの二匹から一文字ずつもらって付けた名前だ。ムラヤマ(ムーちゃん)とふふみと雰囲気が似ていたから。
でも、ムラヤマは甲状腺ホルモン異常という病気で亡くなったのだ。18歳まで生きたので長寿のほうだったけど、最後は体が弱くなっていた。
ふふみは白とグレーの猫で、色合いが似ていたし。でもふふみも病気で亡くなったのだ。
どうしてむふ子にそんな名前を付けたんだ…。
悔やんでも悔やみきれない。そう思うと涙がこぼれそうだった。
結局、私たちは手術をしてもらうことにした。
最後かもしれない、と思って、私はむふ子の写真を撮った。
先生も黙ってそれを見てくださった。
続く