節分の日に、恵方を向いて太巻きを切らずに一気に食べる。恵方巻きまるかぶりの習慣である。
これを初めて知ったのは久米宏のニュースステーションでだった。
久米宏さんが「大阪のほうではこんなことをするそうですよ」と言ったのを聞いて、へーっ、と思った。
ニュースステーションは1985年10月7日から2004年3月26日までの放送だ。久米宏さんがそれを言ったのはまだ髪が黒かった時代。だから、私が初めて恵方巻きのことを知ったのは90年代半ば過ぎではなかっただろうか。
当時は東京ではほとんど知られていないイベントだった。
2018年あたりから、恵方巻きの売れ残りが問題になってくる。それらがすべて食品廃棄物になるのだ。処理費用も莫大だ。この年にこれだけ話題になったのだから、2019年は少しは生産量を抑えて、食品ロスを減らす工夫をするだろうと、見守っていたのだが、やはり2019年も大量の廃棄恵方巻が出たとニュースになっていた。
去年の節分の後、批判が高まったおかげで、いくつかのコンビニで完全予約制にするというニュースが出てきた。よかった!
今年の廃棄量はどれくらいだったのだろう。
によると…
百貨店、コンビニ、スーパー、寿司店、駅ナカ、店舗合計101店舗を調査、この多くの店舗で昨年よりも売れ残りは減っている、または売り切れたところもあるという。
ああよかった、ホッとした。
去年の節分の夜、翌日、ツイッターに上がってきた膨大な量の売れ残りの写真…。あれはほんとに嫌な光景だった。今年は売り切れ店続出だし、残っていても数本とのこと。
上記のYahooニュースの記事に、ある百貨店では管理職らしき人が「あれしかないの? もっと仕入れるようバイヤーに言ってよ」と売り場担当者に指示していたらしいが、その店では閉店20分前に20~30%値引きしてもまだ28本が残っていたそうだ。
お客様のためになるんだからもっとたくさん仕入れてよ、という言葉は、ほんとにお客様のためになるのかな?結局、値引きしてもまだ残っているんだよ?
値引きしなくても全部売れることが、生産者にも売り場の店員さんにもいいことだと思う。廃棄処理費用だってばかにならないし、そういう無駄な経費が掛かると、結果的にほかの商品にもしわ寄せがいく。そうすると、結局お客様のためにならないじゃん。
それに、何より、まだ食べられるものを捨てなくて済むのは、本当に本当にいいことだと思う。
廃棄物はなんにしても少ないほうがいい。捨てなくて済むだけの発注をしたことを自慢すればいいのに。ねえ。