私のバッグにはヘルプマークがついている。
冠攣縮性狭心症という持病があり、発作が起きた時のためにつけている。
でも、発作が起きないときは、まあゆっくり動けば大丈夫。電車でも短時間なら立っていても全然大丈夫。
さて、毎週木曜日は二駅先の整形外科にリハビリに通っている。
昨日、病院の帰りに電車に乗って、私はスマホを見ていた。二駅だし、別に座らなくても大丈夫、と思ってThreadsの投稿を読みふけっていた。
すると、目の前に座っていた高校生か大学生くらいの男性がスッと立ち上がった。そして私に、「どうぞ」と席を譲ってくれたのだ。彼の目は私のヘルプマークに注がれていた。
え、これ、私発作が起きた時のためにつけているだけだし、すぐ降りるし、いいよ、悪いよ、そんな…どうしよう!?と頭の中にいろんな言葉が浮かんだけれど、せっかく譲ってくれたのに断るのは失礼だよね!
と思って「ありがとう、一駅だからよかったのに」と言いつつ席に座った。
そして重大なミスに気付く。
一駅じゃないよ、二駅だよ!! なんで一駅って言ってしまったのか!
多分、私の頭の中では10分程度の乗車時間、すぐ降りるから、という意味だったのだけど、つい一駅と言ってしまったのだった。
ど、どうしよう、次の駅に着いたら実はもう一駅先です、って言うべきか? どうしよう???
と、頭の中で焦りまくっているうちに次の駅についた。
すると彼は、ちょっと体を動かしてかすかに後ろに下がったのである。おそらく私が下りるためのスペースを作ってくれたのだと思う…。
いや、ごめん、ここじゃまだ降りないんだよ、次の駅なんだよ、ごめん!! 一駅って言っちゃったけど、ほんとは二駅なんだよ!!いや、焦る焦る。これはもう、降りるときにちゃんと説明しなければ!!
と思ってるうちにすぐに目的駅に着いた。(いやー、確かに短時間なんだよね)
目的駅に着いたらパッと立って、「ありがとうね、二駅だから立っててもよかったんだけど」とお礼を言うと、彼は
「いえ、すぐ気が付かなくてすみません」と言うではないか!
な、なんていい子!!!
こんないい子のこんな言葉、泣くよ、私!
ああもう、こんないい子が息子だったら!(いや、孫か)
親の顔が見てみたい!(いい意味で)
私はまた「ありがとう」と言いながら電車を降りたのだった。
あー、思い出すたび、心がホカホカになるわ。
昨日は寒風吹きすさぶ一日だったけど、本当に心にホッカイロが入ってくれた。
昨日の青年さん、席を譲ってくれただけでなく、私にホカホカをくれてありがとう!
私の心は今もホカホカしてまーす!