「美しくない」の効果
みずほ証券の株売買の誤発注事件。61万円の株を1株売り出す注文を、1円株を61万株売り出したという事件です。
この一瞬の誤発注の隙を突いて、いくつかの証券会社が、間違いと気づいていながら株を買い、大きな利益を上げました。
このことについて、与謝野馨金融担当大臣は、「違法ではないが、美しくない」と批判しました。
美しくない。
うーん、この言葉は、この事件の批判として、すごくぴったりだと思うなあ。
さすが文学者の子孫! と、うちでは与謝野株急上昇!! 与謝野晶子・与謝野鉄幹の素養が孫に受け継がれた・・・というほどの文学的センスではないけど、でも今までの金融大臣より表現が文学的だと思いました。(買いかぶりすぎでしょうか?)
今回のこの事件は、普通の人だったら、みっともない、あさましい、醜い、というような批判をすると思うんだけど、それより「美しくない」と言われるほうが、心にズシッと来るような気がします。
確かに、美しくないんですよね。誤発注に乗じて利益を上げようとするなんて。
この批判のあと、利益を上げた会社は、そのお金をみずほ証券に返却すると言ったところもあるとか。
また、この利益を、株で失敗した人を救済する基金に寄付したり、新たな基金を作ろうという会社もあるとか。
もしかしたら、「醜い行為だ」という批判だと、ここまでのリアクションは出てこなかったかもしれません。やはり「美しくない」と言われたからコタエタんじゃないかなあ。
美しくないと言えば、赤字続きでずっと廃線の議論が出ていたけどちゃんと住民と議論してこなかった高千穂鉄道(TR)が台風で甚大な被害を受けたら、それに乗じてとっとと廃線にしようとする動きも、美しくないかも。
なんてね。ちょっとこじつけすぎでしたね^_^;
まあ、私は高千穂鉄道沿線の町々が元気になるのであれば、廃線でも存続でもどっちでもいいと思っています。
元気になるにはTRがあるほうがいろんな面でメリットが大きいとは思いますが、存続そのものに固執しているわけではないんです。
それより過疎の問題をどうとらえるか。そこが最重要課題。
過疎問題を解消するには鉄道はあったほうがいいし、ないとますます過疎化が進む、というのはよその地域で実証済み。
だから、あったほうがいいのですが、でも廃線になっても過疎化がストップし経済が活発になるのなら、それはそれでもいいですよね。ぜひそっちのアイディアを聞いてみたいです。

といえば、昨日の国会証人喚問も「美しくなかった」ですねえ。
ことに、建設会社やコンサルタント会社の方々。
むしろ、姉歯氏の方が「潔く見えてしまう(もちろん相対的な
ものに過ぎませんけど)」ほどの往生際の悪さ。
某政党のやる気のない喚問ぶりも、この問題の根っこがどこに
あるのか、かいま見えるようでした。
「美しいもの」が、どんどん失われつつあるようで切ないです
ねえ。

日之影の人は日常的に、「きれい」という表現をあまり使わ
ず、「美しい」と表現しますよね?
例えば、「部屋が整理整頓されていて、きれいだ。」と言う
ことを「部屋を美しゅうしちょる。」と言うようにです。
先生、解ります・・・?
ホントに姉歯氏のほうがちょっと美しく見えてしまうほど、他の人の美しくなさが際立ちましたね。
それから確かに、日之影では「美しゅうしちょる」って言います!
うっくしーしちょるが、と言うことも。
あと、「汚い」は「きさねー」と言います(^^) 「あん人たちはきさねー」と、証人喚問に出た人を見て、思いました。