専用トイレ? 優先トイレ?
今朝、日之影を発って、千葉へ帰ってきました。
熊本空港から羽田へ。台風で飛行機が欠航するのではないかと心配でしたが、今日は大丈夫。昨日が欠航便が多くて大変だったようです。
さて、羽田空港でトイレに行ったときのこと。
私がトイレに行くと、すでに二人の方が並んでいました。今はフォーク並びが定着して、一列に並んで待ち、あいた個室に次々入るので効率よく順番が来ます。
それはいいことなんだけど、この「あいた個室に次々入る」とき、一番奥のドアが広い個室に誰も入ろうとしないんです。
トイレの一番奥にあるトイレは、ドアが広くて、車椅子も楽々入れるトイレです。ベビーベッドも設置してあってオムツ替えも出来るタイプ。ドアにはオムツ替えのイラストが付いています。
その個室のドアは、鍵のところが青い色で、空室だということがわかります。でも、列の最初の人はそこへ行こうとしません。左側に個室が4室並んでいて、その鍵のところは全て赤くなっていて、使用中です。
私が、列の先頭の方「正面のトイレ空いてますよ」と言ったら、その人は、驚いた顔をして、「え、使っていいんですか?」と私に聞くんです。
「誰でも使っていいトイレですよ」と言うと、その方は正面のトイレに行こうと前に進みました。が、結局その方はそのトイレに入らず、手前のトイレのドアが開きかけたので、そこに立ち止まって、わざわざちょっと待って、手前のトイレに入りました。
どうしてもベビーベッドが設置してある広いトイレに入るのがイヤだったのでしょう。まあ、イヤ、というより、「本当にこれって使っていいの~?」と疑問だったのでしょうね。でも、周りに赤ちゃん連れの人はいなかったんですよ。
ベビーベッドが設置してあるトイレに、たまたま私の番がきて、もし赤ちゃんを連れた方が私の後ろだったら、その人に「お先にどうぞ」と譲ります。
すごく後ろだったら(20~30mも並んでいて最後尾が見えないくらい後ろだったら)やらないけど。すぐ後ろだったら必ず譲るなぁ。
ベビーベッドが設置してあるトイレは、赤ちゃん連れ専用ではなく、赤ちゃん連れの方に優先して使ってもらえばいいんですよね。
だって、スーパーなどで、ベビーベッドが設置してあるトイレしかない場合があるじゃないですか。そんな時、そのトイレを使わない人はいないです(見たことないです)。
赤ちゃん連れてなくても普通の人みんな使ってましたよ。
さて、これが車椅子のイラストが付いている「身障者用トイレ」だったらどうでしょうか?
以前、コミケに出たとき、何万人も集う場所なので、トイレもすごく混んでいました。
女子トイレでフォーク並びしていたら、個室が並んでいる一番手前が車椅子のイラストの付いたといれでした。
トイレ待ちの列は長く長く、トイレの周りに続いていました。どの個室も使用中。でも身障者用トイレは空室でした。
切羽詰った顔をした女性が、「これ、使っちゃダメなんですかね?」「うーん、どうなんだろう?」と話していました。
私もここでトイレの数が1個増えるだけでもかなり順番が早くなるんだけどなあ、と思いつつ、でも誰も入らないし、自分が列の先頭でもないのにいきなりその身障者用トイレに入るわけもいかず、「入っていいんですよね」と言う勇気も出ず、黙って待ち続けました。
そして、あとで車椅子の親戚や友達に聞いたら「ああいう場合、車椅子のトイレは、みんなで使っていいんだよ」と言われました。
車椅子を使っている友達で、下半身不随で、定時に導尿(カテーテルを入れて尿を出す)をしなければならない人がいます。その人の事を考えると、長い列が続いていると、待つのも大変だから、いつでも使えるよう、身障者用トイレは空けておくべきだ、と思っていました。
でも、その人が言うには、「私たちは『専用トイレ』が欲しいわけではない。『優先』トイレであればいいんです」と。
身障者しか使えないトイレではなく、身障者に使いやすいトイレ(これは健常者にも使いやすかったりする)で、車椅子の人が来たら、ちょっと先に譲ってあげるくらいの『優先』トイレであればいいんだって。
それも、列の一番後ろなのに一番前にしろ、というわけではなく、フォーク並びをしていて、車椅子の方が先頭近くに来たとき、優先トイレの順番が来た先頭の方が、「お先にどうぞ」と譲るくらいで十分だそうです。
友達が言ってましたが、「下半身不随になってから、トイレは余裕を持って早め早めに行くので、決して一番後ろから先頭に回せ、とは言いません。私たちは専用トイレが欲しいわけじゃなく、ちょっと優先していただければ助かります」と。
というわけで、トイレが混んでいるとき、身障者用トイレがあれば、みなさん使っていいと思います。そこへ車椅子の方が来たら、スッと譲ればいいんですよね。
ベビーベッド付きのトイレもそう。
そこにトイレがあるんだから、みんなで気持ちよく使いましょう。

私も車椅子で、導尿もしていますが、ある程度感覚があるので定時ではないです。でも、行きたくなってからあまりガマンができないので、行列になっているとつらいです。
時たまオナカの調子が悪くなった時にはさらに大変です。
混んでいる時には最優先してほしいと思います・・が、ぜいたくでしょうか?
また、混んでいない時には空けておいてほしいとは思います。

わたしは、そばに車椅子の方がいなければ遠慮なく使ってます。
要は、専用、優先ではなく、からだの不自由な人が来たら、状況によってどう判断しなければいけないのかという基本的な意識が、(トイレに限らず)みんなに行き渡っていないのが一番の問題なのかなと思いますね。
もちろん、車椅子優先のトイレを他の人たちが占領しちゃって肝心の車椅子の人が使えないという光景よりは、遠慮して誰も入らないっていう方がずっとまともな光景ではありますけどね(^^)。

車椅子専用駐車場には平気で車を停め、そうしたトイレには入ることをしない、不思議な傾向です。

今回のトイレの状況を例にして考えてみると、トイレの順番を待つ時って大抵の場合、前(トイレの方)しか見ていないので、先頭の人が何人も後ろの方に車椅子の方や赤ちゃん連れの人がいても気が付かないと思うのです。
それなのに、車椅子だから、赤ちゃんがいるから気付いて先に譲れというのは無理というものです。
でもそういった場合、車椅子や赤ちゃん連れの前後にいる人が、ちょっと勇気を出して前の方の人に伝えてあげれば良いんじゃないかと思うんです。
耳にはヘッドフォン、手には携帯(あるいはゲーム)で、外にいても個室感覚の人が増えている現状では、気遣いや声掛けを期待するより、多目的トイレは使うなと言う方が簡単なのかな・・・
本来ならば、障害者専用や赤ちゃん連れ専用、と言う表示をしなくても、
皆がどのトイレでも優先して差し上げればいいのになぁ、と思うのです。
ただ、車椅子分の広さがないトイレや、ベビーベッドがないトイレに入るのも、
その専用でないといけない方には目的の意味がないかも知れないですが。。。。
私の住む所では、身障者のマークがついているものでも、
ベビーベットサインのあるものでも、待つ人が出ると健常者でも
どんどん使います。しかしそこに身障者の人や赤ちゃん連れの人が現れると、
皆さん暗黙の了解、当然!と言う風に勿論一番列の先に通して差し上げます。赤ちゃん連れママや身障者の人が通常の広さのトイレでも使える場合は、
次に空いたトイレに「有難う」といって入って行かれるし、
そうでない場合は「有難う、でも私、身障者専用に行かないといけないから」
とか「ベビーベッドの着いている所じゃないといけないので、ごめんなさいね」
などとおっしゃって次に空くのを待たれます。
私は以前里帰り中に、日本の公衆トイレ(そこはどのトイレにも赤ちゃんブースが有るのです)で赤ちゃん連れの人が入ってきたので、
前の人に「すみませーーん、赤ちゃんをお連れのお母さんがいらしたので、
次に空いたら行かせてあげてください」と仕切ったことが有りますが、
皆さん嫌な顔一つすることなく、「どうぞどうぞ-」と言う感じでした。
お母さんは何度も「すみません、有難う」と言いながらおトイレに入っていかれました。とっても気持ちよかったです。
どなたかが声を掛けたらきっとそれがまた広がると思いました。きっと皆さん、恥ずかしいだけなんですよね~

「バリアフリー」って結局心の問題なんですよね。
私たち障害者も、決して特別扱いはされたくない。でも普通の人と同じようにはできないこともある・・・そのへんはなかなかわかってもらうのは難しいのかな?
近くのスーパーへ買い物に行くと、時々車椅子用の駐車場に何でもない方がとめてるのを見ます。
車椅子だとドアを全開にしないと乗降できないということを、皆さん知らないのかな?入り口に近くて便利だからというわけじゃないんです。
いろいろすいません。でも少しでもわかってもらいたくて・・・