重曹は洗浄力を落とすからいいのです!!
雑誌「サンキュ!」の仕事で、石けんで冬物衣料を洗うという記事の監修をすることにしました。
石けん一つで何でも洗えますよ、という記事にしたいとのこと。
確かに石けん一つで何でも洗えます。
その中で、編集長が「重曹を使って欲しい。重曹という言葉が入っていると読者の食い付きがいいのでぜひ頼みます」とおっしゃったとか。
すごいなあ。重曹ってそこまで人気なんだ。重曹がどういうもので、どういう働きがあるか、ということより、「重曹という言葉があると食い付きがいいから出したい」と編集者に言わしめるところが重曹人気のすごさを物語っています。
さて、今回の記事ではモヘアのセーターやカシミアのマフラー、ウールのコートなどを洗いました。
ウールのコートは本来はドライクリーニング(石油系洗浄)しかダメなものです。それを自宅で水系洗浄(水で濡らし、石けんなどを使った洗浄)をするのは、型崩れなどが必ず起こりますから、自己責任でやるしかないんです。
ウールはアルカリに弱いので、布地が固くなる、型崩れする、縮むなどのリスクを想定してからやってくださいね。
さて、そういうリスクを出来るだけ減らすために、石けんの洗浄力を落としてからやらねばなりません。
そのために重曹です。
実験をしたスタジオの水のpHは6.6(やや酸性より。マンションなどの水道水は配管のさびなどで酸性に傾いているところが多いそうです)
純石けんを溶かしたときのpHは9.5(弱アルカリ性です)
そこへ重曹を混ぜると、pHは8.8に下がりました。
さすが重曹!! pHが8.8というのは、ごくマイルドな石けんシャンプー程度のpHです。
ウールの物を洗うのに石けんシャンプーを使ったりしていましたが、重曹を混ぜることによって洗浄力が落ちてくれて、石けんシャンプー程度になるんですね!
(やはり洗濯機でTシャツやジーンズを洗うには向いてないですが、ウールやカシミアを洗うにはいいかも)
重曹は洗浄力を落とす!ということが証明されました。
まあ、洗浄力を落とすというと、イメージが悪いかもしれませんが、要するに、洗浄力をマイルドにするんです。だからウールやシルク、カシミア、モヘアなどにはいいかも。
でも洗濯機でガシガシ洗うには向いてないですね。

そしてその近くにはもっと大きな見出しで「汚れ落ちのいい石けんの洗浄力をアップさせる炭酸塩!」って入れるんですよ~。いいでしょう、このアイデア

いや~、重曹って本当にすごい人気です。その見出しを入れても、読み取れない人のほうが多いような気もする今日この頃です・・・。
重曹は確かに溶けにくいので、クレンザー効果がありますが、時間をかけるとちゃんと融けるんです。
少量の水で溶かすとじゃりじゃりするのですが、10リットルの水に小さじ1~3だと、良くかき混ぜれば溶けますから、火山灰のクレンザー粉で洗うのとは違うんですよ。
pHが下がることを目的に入れるのは一つの方法ですね。

重曹初心者には、
まわりの評判や口コミだけで
正しい方法や、特性を知らないと
何の意味もなさないでしょうね
使いにくい・・・としか思えないでしょう
私も洗剤の時は、まるで判らなかったです
理解しないで使っていたので
ただ無駄に使っていたように思います
どんどん正しい説明を、表に出していかなくてはいけませんね♪

ところで、重曹を入れてpHを下げると洗浄力が落ちるのはなぜでしょうか?pHが下がっても洗浄力は上がると書いているサイトはいくつもヒットします(私の日記で挙げておきます)が、赤星さんのような主張はあまりみかけませんので、実証結果などがあればご紹介いただきたいと存じます。
(この質問は、mixiではコミュ違いになりますので、こちらで書かせていただきました)