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太田光が総理大臣だったら2

07/07/14/土曜
月曜(9日)に日本テレビの「太田光が総理大臣だったら」の収録に行ってきました。

さて、太田総理ですが。

太田光総理は、 「ごみを減らそう、ということに対して誰も異を唱える人はいないだろう。
が、それは本当に正しいのか? 」
というテーゼを出してきました。

「環境を守ろう、地球を守ろう、というのは誰も異を唱えない。今の時代、それは絶対的な正義となっている。しかし、本当にその考えは正しいのか?」と聞くのです。

もう、ここからかみ合わない議論でした。
私なんか、別に地球を守ろうとしてごみ減量を始めたわけじゃないから、「それ(地球を守ること)は絶対的な正義ですよ」とは全然思ってないし。

45億年の地球の歴史の中で、人間が都合よく生きるための生活の仕方を、今我々人類が、人類のわがままでやっているだけで、地球は汚れようがきれいになろうが、それは人間にとって汚れていたりきれいだったりするわけで、地球にとっては別にどっちでもかまわないことでしょう

「環境を守ろう」というときの「環境」は、人間に都合のいい環境、ということだと思います。
人間だけに都合のいい環境、というのはあまりなくて、人間が生きやすい環境にするためには、他の動植物も健康に育つ環境のほうがいいから、結果的にはいろんな生物も守ることになるし、生態系を崩さないほうがいい、ということになります。

でも、それは「他の動植物を守り、地球の自然を第一に考えた結果そうなった」わけではなく、あくまでも「人間にとって都合のいい環境をまもろうとしたらそうなった」ということではないか。

だから、環境を守ろう、というとき、「それは人間のためだもん、守らないと仕方ないよね」という感じだと、私は思っています。
他者を愛する心、というより、いつも言うけどエコよりエゴ自分を守ることは期せずして他者も守ることになっている、というのが私の考えです。


それから太田総理はまた、こうも言いました。

「俺たちより上の世代の人たちが、大量生産、大量消費は善だと、いろんな文明を築いてきた。
ごみもドンドン出して便利に便利にしてきた。それが善で、それでよかったのに、ここに来て急に『それは悪だ、ごみを減らせ』とかまったく逆のことを言われても、若い世代は混乱する。今まで善だと言ってたものを急に逆のことが正しい、と言われても、本当にそれが正しいのかどうか、それが正しいとすんなり受け入れていいのか、と思うんだよね」

うーーん…。

大量生産・大量消費が美徳というのは、せいぜい第二次世界大戦後の理論ではないかと思います。
もっと長く見積もっても、せいぜい明治維新後の理論じゃないのかな?

それまではごみを出さない(というか、ごみが本当に出なくて、かまどの灰や紙切れや排泄物まで「資源」にしていたので、ごみは本当に少なかった)生活でした。だって、日本は鎖国していたんだから、日本にあるものだけでまかなわなければならなかったわけだし。

だから、ごみを出さない生活をしましょう、という年月のほうが「ごみを出すほうがいい(大量生産大量廃棄)」という生活より断然長いわけです。

今、ごみを減らしましょう、というのは、いきなり言われたことではなくて、昔から実践していたことを今また言い出しただけで、いきなり正反対になったのではなく、元に戻った、とも言えるのではないでしょうか?

歴史上、今までとまったく逆の理論が正しい、と言われて価値観がひっくり返ったことは何度もあると思うけど、ごみを大量に出すのが善である、という時代は一度もなかったと思う。

だから、太田総理の「いきなり言い分が正反対になって、それが本当に正しいのか疑問だ」というテーゼは、私にはどうもピンと来なかったなあ…。

それと、太田総理は 「環境に配慮している人たちの傲慢さ」 ということも言いました。
「俺たちはさ、ごみを減らしているひととかがさ、『あたしたちはこんなに努力してるのよ、あんたたちは何もしてないでしょ?』というようなこっちを見下した感じがするんだよね」というようなことを言ったのです。

それは私もよく感じることです。
エコロジスト、と言われる人たちと会うと、「私たちこんなに環境にいいことをしてるのよ、あなたたち、まだこんなことも出来ないの? まだこの程度しかやってないの?」というようなきつい視線を感じるんです。

私も「エコロジスト」と呼ばれるようになって、尻がむずがゆい気がするんだけどね、もし私もそういう感じを与えていたら、ものの言い方とか反省しないといかんです。私は全然そんなことは思ってないんだから。

でも、本当はエコの人はそんなことを思って無くても、周りの人は勝手に「負い目」から「エコロジストの人に責められた」と感じることが多いのではないか。

以前、こんなことがありました。
あるエコの講演で、繊細なフリルが付いているおしゃれな洋服を着ている人に「これ、クリーニングですよね」と聞いたら、その方が困った顔をして「ええ、本当は手洗いすべきなんでしょうが…ごめんなさい、クリーニング出してます」とおっしゃったんですよ!!

何で私に謝るの???? 衣類をクリーニングに出すのって犯罪なの??? と思いました。
(私が聞きたかったのは、どれくらいの頻度でクリーニングに出すのかな、ということで、出すことの是非ではないんです。私だってスーツとか、手洗いできないものはクリーニングに出しますからね。)

でも、普通の人って、「エコロジストはクリーニングに衣類を出さず、全部手洗いしている。クリーニングは悪で手洗いは善だ」と思っているのかも。
多分、自分がクリーニングを利用していることに対して負い目があるのでしょう。
だから、クリーニングについて質問されたら「すみません」と謝っちゃうんでしょう。

太田総理も、ごみをたくさん出していることに負い目があるのかもしれません。だから『ごみを減らそうよ』という言葉に対して「お前らはいつもそうやって俺たちやってない人を責める」と感じるのかもしれません。

責めてないって。
ごみは減らしたほうがラクだよ、と言ってるだけで、ごみが多い人はそれだけ処理費用出せばいいじゃん。
費用を出せば心置きなくたくさん出したってあなたの責任は果たしてるんだから。それでいいじゃん、と言いたいんだけど、そんな議論には全然なりませんでした。


発言しても他の教授にさえぎられちゃったしなー。ふ~、疲れた疲れた…。

それと、9日の出演に、依頼が6日だった、というのは、よほど出演者が決まらなかったのでしょう。またはドタキャンされたとか。
台本と日テレまでの地図をファックスします、と言われたのに、届いてなかったし、う~ん、あの番組の中での私の位置づけがよくわかりますね。
Commented by おーちゃん at 2007-07-15 07:30 x
私は基本的にマスコミをあんまり信用していません。
特に「バラエティ番組」は好きになれません。
テーマは何であれ、基本的にウケねらいで、まじめにものを言おうとしている人がいてもすぐにはぐらかされています。
番組を作る人がちゃんとした考えを持っていないとダメですね。
Commented by はっぱふみふみっ at 2007-07-15 10:48 x
こんにちは。今回のお話、とても考えさせられるものでした。
ゴミを減らす工夫も石けん使うのも、私にとっては自分が暮らしやすく
する為の一つの方法なので、地球を守るとか、そんなに意識していませんでした。
難しく考えず、もっとシンプルに考えたらいいと思いました。

最近のテレビ番組もいろんな事件をきっかけに、冷めて見てしまうように
なりました。これってヤラセかなー、とか、うまく編集してんなーとか・・・。
Commented by akaboshi_tamiko at 2007-07-16 21:11
おーちゃんさん
テレビは一瞬の面白さを重要視しますからねー。作り手の見識も重要だけど、見る人の見識も試されている時代ですね。難しいですわ・・・。
Commented by akaboshi_tamiko at 2007-07-16 21:14
はっぱふみふみっさん
私の好きなことわざに、「情けは人のためならず」というのがあります。
情けは人のためにかけるのではなく、めぐりめぐって自分のところにも情けが返ってくるものだ、という意味。

どんなことも、自分のためになる、どんなことも自分に返ってくる、と思うと、めったなことは出来ません。
そして、他者のために、という慈愛の心は私はなかなか持てないけれど、人に優しくすると自分にも返ってくる、という風に考えれば、こんな私でも出来そうな気がするんです。そっちのほうがやりやすい、生きやすいと思います。
Commented by 三日月 at 2007-08-18 17:35 x
はじめまして。
私も昨夜、テレビ観ました。ゴミを減らす努力は普通にやっています。生ゴミもコンポストにしているので、もう4年くらいゴミとして出さなくなりました。
赤星さんの言うように、すごく楽になりました。ただそれだけ。
反対する人の意見は「ゴミ削減」にではなくて『エコロジスト』に対してのような感じもしました。
高木美保さんはとても自分の意見を表現するのが上手いなとも思いました。でもうちの主人は「結局この人は自分の住むところを汚したくないってだけ」といっていました。要するに、いろんな意見があるんですよね。
ゴミ袋を200円にすればゴミが減ることは誰もが予測できることです。やったらいいのに、どうしてやらないのか?
最後の方で名前は忘れたけれど年配の女性が
『良いことだと思うことは全てやったらいいんじゃないですか?』と
言っていたのが印象的でした。
そう、全部一気にやっちゃえばいいんですよ。
でも、日本人はきっとやらない。
だから個人で地道にやるしかないんでしょうね。
やれる人がやればよいのかも。今は。
でも、赤星さんの「叶姉妹のように生きたい」というのには
正直がっかりしましたよ。
Commented by akaboshi_tamiko at 2007-08-18 18:29
★三日月さん
本当にいろんな意見があるんですよね。
ただ、叶姉妹のように、というのは、あそこだけ取られると、がっかりするでしょうが、あの方たち、気に入った骨董品を大切に長く使っているんです。プラスチックの安物を次々に買い換えたりせずに、高くてもいいものを長く、じっくり。
そこを言いたかったんですが、時間がないのと、本当すぐ茶々を入れられて、うまく伝えられなかったですね。
Commented by 三日月 at 2007-08-23 07:10 x
そういうことだったんですね。はやとちり(というかテレビめっ)してすみません。彼女たち、そんなんだったんですね。知りませんでした。
そういえば、デビ婦人もものすごく物を大切にする方だと聞いたことがあり、それまであまり好きではなかったけれど、尊敬するようになりました(笑)
あの番組、すごく好きだけど、放送を100%うのみにしては
いけないなぁ~とつくづく感じました。
そういう意味でも、メディアって責任重大ですよね。
Commented by akaboshi_tamiko at 2007-08-25 01:50
★三日月さん
そうなんですよー…。テレビというのは時間に追われるので、なかなか思ったことが伝わらないですね。
デビ夫人も、終戦直後に日本のために尽くしてくれた方です。物を大事に使うのは、私も聞いてます。古いスーツの袖口が擦り切れたのを丁寧に丁寧に補修して着ていた、ということもあったそうですよ。
今のテレビでのお茶目(というか、おちゃらけぶり)は、往時を知るものとしては悲しくもありますが…。
by akaboshi_tamiko | 2007-07-14 23:55 | エコ関連 | Comments(8)