ちょっとがまんすること
今日、BSでエルビス・プレスリーのショーをやっていたのをちらりと見ました。
ひゃ~、エルビス太ってないよ~、と思いつつ見ていたら、客席の女性がエルビスのスカーフをもらうシーンが目に入りました。
二人の女性がステージのそばまで来ていて、エルビスがスカーフで自分の汗を拭いて、それを渡すのですが、女性は二人ともエキサイトして飛び跳ねていて、手を出しています。エルビスがスカーフを差し出すと、一人が彼の手からサッとスカーフをもぎ取りました。
すると、もう一人の女性は、それを見たら、ニコニコしながら自分の席へ戻ったのです。
うわ~~~、現代の日本のコンサートだと、そのスカーフ奪い合いになるんじゃないかなあ、と思って見ましたよ。
友達に聞いた話ですが、あるライブ会場で、メンバーが会場に向けて花を投げたら、それがその友達の前の列に落ちて、前の席の子が花を取ったんだそうです。
友達は、「あ~、いいなあ、ほしかったなあ」と思ったけど、特にその花を奪おうなんて思いもしなかったとか。普通そうですよね?
ところが、後ろからか、横からか、ホントに、どこからかわからないけど、一瞬のすきに別の女の子が花を取った子の上に覆いかぶさって、花を取った子は床に倒れ、後から来た子がその花を奪い去ったんだそうです。
最初に花をとった子は、ショックで倒れたままで、周りも騒然となったら、花を奪った子が戻ってきて、「すみません」と言って、またすぐ去ったそうです。
なんなんだよ、これは!!
すみません、って謝ればすむのかよっ!!
怪我はなかったそうだけど、もし怪我させてたら、コンサート中止だよ!!??
謝るくらいなら最初からそんな無茶な奪い方するなよっ!! と思いましたよ、ホント。
そのバンドのメンバーも、ファンサービスとして花を投げ、一人しか受け取れないけれど、それはそれ、そういうサービスもあるでしょう。受け取った子がラッキーだった、という話ですよね。
でも、その他人のラッキーを許せない、がまん出来ない子がいるんです。
昔、1979年、沢田研二がカサブランカ・ダンディを歌っていたとき、コンサート会場で、かぶっていた帽子を客席に投げてファンにあげようとしたことがありました。そのために帽子もたくさん用意していたそうです。 (一会場一人分、ね)
ところが!!
当時のファンはすごく奥ゆかしくて、客席に投げられた帽子を受け取った人が、次々に手渡しでステージへ戻してくれたんです!!
これは、ザ・ベストテン(TBSでやっていた歌番組)で、そういう話が出たのを見た記憶があります。
客席のファンたちは、もらっていいのかどうかわからなかったから戻しただけかも、とは思いますが、それにしても独占欲が今より薄いし、自分だけいい思いをすると悪いなあ、という風潮があったのだと思います。
ちょっとがまんする、周りの人に気を配る、ってことが普通のことで、今はそういうちょっとしたがまんが出来ない人、増えたような気がします。
オークションサイトが流行っているから、スターがかみ捨てたガムが売れてイージーマネーを稼げる時代ですからね。ちょっと我慢するなんて気持ちさえ見失ってますよねぇ。個人的には帽子を返してしまうようなファンがいる時代がステキだなぁと思います。
私は、以前、ウン十年来のファンであるグループのコンサートで、信じられない経験をしたことがあります。
前から2列目にいたのですが、メンバーの一人がドラムのスティックを投げようとした時、私の目の前にドンピシャで飛んできて見事にキャッチ!!!ところが、ラッキーと思う間もなく、隣にいた友達が「ありがとう、ありがとう」と言いながら私の手からもぎ取り、自分のバッグの中へ・・・
友達だけに何も言う気になれずそのまま帰ってきましたが、知らない人に飛びかかられてピックを奪い取られた時よりもショックでしたね~
以前に洋楽雑誌に、「日本人のファンはとてもいいファンだ。
アメリカだったらファンに服を引きちぎられたり、帽子なんかすぐ盗られたりするけど、日本人は物を盗って行かない上、物をくれる」ってあったので、日本人ってそ〜だよな〜って思っていました。
そうそう、ジュリーですわ。今はものすごいガラクタでもネットオークションで売れる時代ですものねー。なんか侘びしい社会になっちゃっいましたね・・・。
それはつらい!! 見知らぬ人より友達にそういうことされるとショックですね。相手も冗談半分だったのかもしれないけれど、う~ん、ショックな気持ちわかります。