賞味期限偽装事件
これって、内実をNHKの特番で見ると、なんだかなぁ…とため息が出るような話でした。全部が全部じゃないんだけどね…。
干し芋についてはこんな具合でした。
もともと干し芋の賞味期限は90日だそうです。これは保健所とかで細菌の数とか変質の具合とかを調べて、90日はちゃんとおいしくいただける、というお墨付きがついているわけです。
ところが、製造者は、大事をとって賞味期限を60日にしました。保管状況が悪いところに置かれる場合もあるし、まあ、最悪のことを考えて大事をとったのでしょう。
そして、お店は、さらに賞味期限の表示を短くして半分の30日にしたのだそうです。
つまり、90日もつはずの干し芋が、30日で廃棄処分されてしまうわけです。
なんてもったいない!!
なぜそんなことになったのかと言うと、干し芋は時間がたつと表面に白い粉が出てきます。これはでんぷんが変化したもので、害はまったく無く、味にも変わりは無いのに、白い粉がふくと売れなくなるからだそうです。
趣味期限偽装は、実は消費者が引き起こしていた、とも言えると思います。
白い粉がふいていると「傷んでいる」と思って買わない。もともと干し芋なんて保存食なのに、出来立ての新鮮なものしか買わない。だから消費期限を短くして、それを過ぎたものは返品してしまう。
昔、私が子供のころは干し芋に白い粉がふいたものは「こっちのほうが甘くておいしいよね」と言って食べたものでした。
干し芋の袋にも「白い粉をふくことがありますが品質に変わりはありません」と書いてあったと思います。(今のものにも書いてあるはずだけど、でも消費者はぱっと見て、「白い粉がふいてるから古い、だから買わない」となってしまうのかも)
小豆餡も、ちょっと時間がたったものは火を通してまた使う、ということは自宅では良くやることです。
お店がやっちゃいかん、とは私は思わないです。
もちろん、売れる量、残る量の見極めが甘くて、ものすごく大量に余って、それを何日も保管して火を通して使った、というのは論外だけど。
毎日、何かの加減で餡子がホンの少し余ったら、それを適正に火を通して使う、ということは、多分、昔の日本、江戸時代とかなら普通に行われてきたことだと思います。それを「偽装」と呼ぶのは、現代の病理、という気もしないでもないです。
まだ食べられるものを捨てないで有効利用したことは「偽装」ではないけれど、賞味期限の表示を改ざんした、というのは確かに「偽装という犯罪」です。だけど、その犯罪は、本来起きなくてよかったもの、だと思います。
今はものすごく賞味期限にうるさい時代になってきました。食中毒に弱い国民性でもあるし。食中毒にものすごく弱い国民だから賞味期限が厳しくなったのかな?
ついでに2007年8月6日の日記も合わせて読んでみてくださいね。