プロの相場
「簡単でいいから」と言われても、そんな簡単にはいかない! と怒っていました。
しかも、何のお礼もなし。ドイツ語出来る人が日本語の文章をドイツ語にするだけなんだから、苦労はないだろう、簡単なんだからただでいいだろう、という意識なんでしょうね。というか、友達同士でお金を払う、というのが、多分考え付かないのかも。
その友達も、一回目、二回目のときは、頼まれるのも嬉しくてただでやるけれど、こう何回も続くと、そうも言ってられない。ちょっとうんざり…となってくるんだそうです。
自分がプロの翻訳家なら、お金の請求も出来るのに、とぼやいていましたが…。
でも、プロでも友達に対しては金の請求はなかなか難しいようですよ。
私の友達のプロの英語翻訳家も、「友達だから、ちょっと簡単でいいからこれ訳してくれない?」と頼まれて、簡単にはいかないんだよね~、と思いつつ訳すと、「ありがとう~」の一言だけで終ったり、「コーヒーおごるわ」と言われておわったりしたそうです。それ、プロの仕事をどう考えているんだっ!! と怒りたくなる、と言ってました。
私の知り合いの着付け師が、特に教室を開いているわけではなく、仕事もちょっと休んでいる時期に、同じマンションの人から、子どもの七五三の着付けを頼まれたそうです。
で、その人の部屋に行って着付けをしてあげたら、「お金いくら払えばいいですか?」と聞かれました。
「駅前の美容院で4千円だから、その半額の2千円でいいですよ」と言ったら、その人は「えええっ!!」とものすごく驚いて、キッととした顔になって、千円札2枚をパッと投げつけたそうです!!
投げつけるのかっ!! すごいわ~~~!!
(↑30年前の話なので、金額が低いですが)
多分、その人は「友達なんだからもっと安くて当然」と思ってたのでしょうね。でも、友達と言っても、プロの仕事をしてもらうわけだから、お友達価格で半額だったら、決して高くないと思います。
なのに、友達に頼むってことがそもそも安く上げたい、ということで、市場の半額でも高く感じるってことは、一体市場の何分の一を想定していたんでしょうね。
その道のプロに何かを頼むとき、ただでやってもらおうと思わず、お金を払うつもりで頼むのはいいことだと思いますが、相場ってもんがあるでしょうに…。ねえ…。

わたしも、友だちや知り合いから時々仕事を頼まれるのですが、引き受ける時は最初から「儲けは考えない」ようにしています。
仕事の中身は、プロとしてやるのですから、手抜きはしませんが、たいてい、「そんなに安くていいの?」と言われるくらいでやってます(勿論、こちらの持ち出しになっては意味がないですけど)。
それが出来ないのであれば、たとえ友だちの頼みでも、プロとしては最初から引き受けるべきではないと思っていますので。
まあ、幸い、そんなに理不尽なことを言う友だちや知り合いがいないってこともありますけどね(^^)。
反対に…
従兄弟が、英語の翻訳の仕事をしているので、時々簡単な翻訳を頼むのですが、ちゃんと規定の料金を払うといっても、なかなか取ってくれないので、逆に気楽に頼みにくいです(^^;。
引き受ける時も、頼む時も、それぞれ相手のことを考えてからにしないとねえ。

たとえるのが難しいですが、「失恋した時に一晩二晩付き合ってくれて、相手の仕事にも迷惑掛けるくらい頼ったことがある人が、プロとしての腕を借りに来ている」という場合と、「たまたま近所にいてあいさつする、世間話もする、お茶くらいはする」という場合は違うんじゃないかと。
ただ、前者くらい深い付き合いをしていれば、おそらく仕事上の苦労も分かってくれてて、なかなか「只でどうこうしろ」という要求はしない気がしますが。
その人ののプロとしての腕なり、知識なりを、「只で」提供させるのは、「お金持ちなんだから全部おごれ」というよりもっといじましい感じがするんですが。

はじめまして。
この日記は、私自身にも思い当たることがたくさんで、思わずコメントです(笑)。
私(デザイナー)も友達から仕事を頼まれます。
それで、ちゃんと払うよって言われますが、やはり安くしてしまいます。相手も安くしてくれると思って頼んでるのもありますが、この業界(十分ご存じですよね?)は、「御布施」制度的な所があるので、同じ仕事をしても異なる人から同じ金額を貰えるとは限らないもので、つい料金を安く設定しがちになります。
まともに見積もっていると、印刷はこっちでやるからデザインだけやってとか言われて、印刷にのっけた利益が〜とかなっちゃいます(笑)。
なので気持ちがわかる分、同業者や、他に料金が定まってない業種の人へ私が仕事を頼むときは、多めに予算確保して頼みます(笑)。
料金がどんな場合でも変わらない保険業とかの友達を見てるとうらやましいですね。値切られたりしないんですもの(笑)。
しかし、日記の着付けの方はお金はいくら?と聞かれて金額を提示したのに、投げつけられるなんて…。可愛そうです。
★黒豆さん…私自身も、友達から仕事を頼まれると安くしちゃいます。まあ、あまり経済状態にしわ寄せがくるようなら考えますが、友達価格というのはありますね。あと、昔、私も行きつけの喫茶店がサービスでいろいろただで飲み物とかくれるので、「それだと来づらくなるからちゃんとお金とって~」と頼みました。
★はるなさん
友達同士でも、苦労がわかっている人ほど「ただでお願い」とは言わないですね。最初からこっちがお金を取るつもりも無い、ということもあります。でも最初から、プロの知識や腕を「ただで当然だ」と思われると、おいおい、それはちょっと違うよ、と言うたくなることも。ケースバイケースですが…。
★やすよんさん
デザイン業界、わかります。わたしも昔、知り合いのデザイナーさんに無茶振りを発揮していろいろ頼んだり、頼まれたり。若いころはそれでお互い様、だったりしましたからね…。この業界、料金設定は難しいですねぇ。それにしても、お金を投げつけられるのって、かわいそうですよね。
