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母と指輪

2020年1月21日午前8時54分、母が93歳の生涯を閉じました。
昭和2年1月19日、戦前生まれですから、戦中、戦後、高度成長期、バブルを経験し、平成の半ばまでずっと働きづめで生きてきました。

日之影町で食料品店を営んでいた両親は、朝早くから夜遅くまで仕事をしていました。
母の手は働き者の手で、指が太く、入る指輪がありませんでした。もちろん宝石店でオーダーすれば着けられる指輪もあるのでしょうが、そういうぜいたく品を買う余裕もなく、母は指輪を身に着けないまま亡くなりました。

母に指輪をはめてあげたくて、私はフリーサイズの布製の指輪を持って帰りました。
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この指輪なら母の指にも入るし、布製なので棺に入れても燃えるし。
母と指輪_b0019674_22523786.jpg
私が千葉から日之影に着いたとき、母はすでに棺の中でした。本当は指にはめてあげたかったけれど、顔の周りに置いてあった花の上に置きました。

母はかわいいものが好きだったので、この指輪喜んでくれるかな…。

昔の人にしては背が高いことがコンプレックスで、仕事のしすぎで指が太く、痛みのあるコブができたのが恥ずかしいと言っていた母。
柔らかな布の指輪なら痛くないし、もっと早く上げればよかった…と、少し後悔しています。

by akaboshi_tamiko | 2020-01-29 00:04 | ふるさと関連 | Trackback | Comments(2)

私のふるさと日之影町では、ひな祭りの時期に合わせて竹影ひな祭りという、とても美しいイベントが行われています。

In my hometown Hinokage , a beautiful event is held at the end of February. It is called Takekage Hinamatsuri. Lots of bamboo lanterns and small dolls are decorated at the event site.
今年は2月29日午後6時からです。
29th Feb. 6:00p.m.~
竹影ひな祭り1 English version_b0019674_01565381.png
These are Takekage, these bamboo lanterns are made from bamboo thinnings. It started 7years ago.
竹影祭りは7年前から始まりました。
この竹の灯篭は、日之影町にある竹林を整備するときに出る不要な竹を活用して作ったものです。間伐した竹の扱いに困っていたのですが、竹影としてよみがえりました。
Hinokage Forest Office manages mountains and forests. There are huge bamboo forests, they have to cut many bamboos every year. It was a huge problem. They did not know how to cope with the bamboo thinnings. Those were useless, but now thinnings became beautiful lanterns. Some people buy them for souvenir.

竹影ひな祭りは、12年前に福田裕生さんという、日之影町で手作りみそを販売している方がたった一人で始めた「ひな人形展示会」がきっかけでした。
The Hinamatsuri that shows many dolls began 12 years ago.
Mr. Fukuda founded the event.

自宅にあったひな人形や、もう飾らなくなったひな人形を譲り受けて、それを空き店舗に展示したのが始まりです。
He decided to show his daughter’s hina ningyou (special dolls for girls festival) to everybody at a vacant shop.
(You can find a lot of vacant stores and houses in Hinokage. They suffer from depopulation. )
過疎に悩む日之影町を少しでも元気づけたいという思いから、福田さんがたった一人で始めた展示会は、もう12年も続き、口コミで人形を譲ってくださる方も増えて今では600体を超えるほどになっています。

Fukuda san wanted to encourage Hinokage and wanted to draw in tourists.
At the beginning of the event, he decorated his daughter’s and neighbor’s dolls.
Now, there are over 600 dolls.

竹影ひな祭り1 English version_b0019674_02150187.jpg
今年はこのひな人形展示と竹灯篭だけでなく、スカイランタンを浮かべるという企画が出ています。
And the staff of the event, they have another plan.
It is the Sky Lantern plan.
竹影ひな祭り1 English version_b0019674_16195304.png
夜空に浮かぶ暖かい光のスカイランタン! 本来は火を使った小さな熱気球を飛ばすのだそうです。
A sky lantern is a small hot-air balloon. Usually it flies above big rivers or near the seashore. They use candles to create hot air.

が、日之影では山火事の恐れもあるので、LEDライトを入れた風船を飛ばします。しかも、それが後で回収できるよう紐づけしてあります!ごみならないよう配慮したんですね!

But, Hinokage is located deep in the mountains. Hot-air lanterns with candles can potentially cause mountain fires.
In Hinokage, they use LED lamps, helium gas, and long lope to fix the lanterns.
The staff of the event will collect the lanterns after the event.
It is a good system not to make any trash, eco friendly.

日之影町は山奥の小さな町ですから、予算もあまりありません。(そもそもひな人形展示会も、竹影祭りも、個人の情熱から始まったものです)
なので、クラウドファンディングで資金を集めています。

Cloud funding
もし、ご支援いただければ嬉しいです。

ご協力・ご支援いただければ、いろいろな楽しいリターン品が届きます。
If you support them, you can get some good returns. please vist the web site.

でも、もちろん、お金じゃなくてもいいんです!竹影ひな祭りを見に来ませんか?
Let's come and enjoy the Takekage Hinamatsuri!

日之影町は山奥の過疎の町。高齢化で毎年人口も減り、子供たちの声が聞こえなくなり、どんどん寂しくなっています。
そこへ一人でも訪れる方がいればそれだけでうれしいんです。

日之影町は何度も言いますが山奥にあるし、大きな建物や工場や道路のない町ですから、夜は漆黒の闇が訪れます。
そんな中にぽっかり浮かぶスカイランタン!
道路にぎっしり置かれた竹灯篭!

その明かりは、都会で見るあかりよりも何倍も明るく輝きます。見ごたえがあると思います!
よかったらぜひ見に来てください。楽しめると思います!
If you have time to come Hinokage, you can enjoy fishing, bouldering, and beautiful nature.

by akaboshi_tamiko | 2020-01-21 16:44 | ふるさと関連 | Trackback | Comments(4)

2019年4月26日、宮崎NHKの番組みやざき熱時間スペシャル“平成”からの伝言」に出演しました。千葉では見られないのですが、ラインで「見た!」「出てる!」というリアルタイムの報告があり、ネットの即時性を肌で感じました。

明日4月27日午前1005分~1117分にも再放送があります。
よかったらぜひご覧ください。

さて、大人歌舞伎の続きです。

開催日時は2019年(平成31年)4月28日(日曜)午後1時開演
場所は〒882-0402 宮崎県西臼杵郡日之影町岩井川2387−2 大人歌舞伎の館(←をクリックすると地図が出ます) 

衣装や小物がとにかく素晴らしいので、何枚か写真を撮ってきました。
鬘も昔から大切に保存して使っているものです。
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簪(かんざし)はもしかしたら本物の鼈甲?? 古いものなのであり得る話です。(ワシントン条約が出来るはるか前に作られたものですから!)
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髪の生え際がネットになっているものは新しいものらしいのですが、それでも大切に使われています。ケースも古めかしく、由緒正しい感じです。
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歌舞伎の館に入ると、この着物が展示してありました。いつの時代に作られたものなのか、今度帰った時には詳しく聞いてみたいです。
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古いものなので、保存が大変だそうです。一年に一度、晴れた日に虫干しをするそうです。それも見てみたい。
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こちらの衣装は襟付き。太功記二段春永の衣装。この着物全体にびっしりと刺繍された模様が素晴らしい。金の糸を使ったこの刺繍、いったいどれだけの時間がかかったものなのか…。

こういう衣装を惜しげもなく使い、大人地区の人たちと、緑のふるさと協力隊の若い人が混じって素晴らしい舞台を見せてくれるのです。
(「緑のふるさと協力隊」は、農山村に興味をもつ若者が、地域再生に取り組む地方自治体に1年間住民として暮らしながら、地域密着型の活動に携わるプログラムです。詳しくは→こちらを見てください)

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地域の人たちの練習風景。舞台も演者も本格的です。
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これは緑のふるさと協力隊の一員の方が女形に扮するらしく、振袖を着つけてもらっているところです。背が高いので振袖が映えますねえ。

日之影に帰るとこんな楽しそうなことがあるのかと、うらやましくなりました。
お近くの方はぜひ4月28日に日之影町へお越しください。

ゴールデンウイークは星雲橋の道の駅もリニューアルオープンしますよ!

道の駅「青雲橋」プレオープン記念イベント

日之影町大人歌舞伎 第10回桜公演

傾山山開き

五葉・トッキン岳山開き

春のロードフェスティバル

 

その他 GW中の見どころ

日之影川の鯉のぼり

天神山公園のつつじ


by akaboshi_tamiko | 2019-04-26 23:02 | ふるさと関連 | Trackback | Comments(0)

宮崎県日之影町の大人歌舞伎のご紹介です!

日之影町大人地区に昔から伝わる歌舞伎は、1597年に亡くなった甲斐宗摂を偲んで始まったものです。
台本は上方歌舞伎と同じ。江戸時代大阪の台本も残っているとのこと。

衣装も当時のものが残っていて、それを大事に使っています。
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この刺繍! 丹念に施された刺繍が着物全体を覆い、ずっしりと重い着物を着て歌舞伎が演じられます。
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一体何キロあるんだろう?と思うくらいの衣装を着て、昔から伝わる台本に忠実に演じられる歌舞伎。
今年の演目はこのポスターを見てください。
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開催日時は2019年(平成31年)4月28日(日曜)午後1時開演
場所は〒882-0402 宮崎県西臼杵郡日之影町岩井川2387−2 大人歌舞伎の館(←をクリックすると地図が出ます) 

お近くの方はぜひ!
この歌舞伎の衣装、素晴らしいのでまだ続きます。お楽しみに!

そして宮崎県在住の方限定情報ですが、私、赤星たみこが4月26日19時30分~20時42分の
NHK宮崎の番組「みやざき熱時間スペシャル“平成”からの伝言」に出演します。再放送は翌日の427日(土)午前1005分~1117分です。

よかったらぜひご覧ください。

by akaboshi_tamiko | 2019-04-26 04:07 | ふるさと関連 | Trackback | Comments(0)

NHK宮崎の番組「みやざき熱時間スペシャル“平成”からの伝言」に出演します。
放送日は4月26日19時30分~20時42分です。宮崎の人、見てくださいね!
(えー、、、その時の服装についてはこちらをお読みください。ダサくてよれよれだけど、宮崎愛に免じてお許しください…)

再放送は翌日の427日(土)午前1005分~1117分です。

宮崎県域/総合テレビなので、残念ながら宮崎県内のみの放送です。他県の方は見られないはずですが、近県の方ならアンテナを宮崎に向けると見られるという裏情報も…。


それから4月28日(日曜)には宮崎県西臼杵郡日之影町で、大人歌舞伎(おおひとかぶき)が開催されます!

場所は 〒882-0402 宮崎県西臼杵郡日之影町岩井川2387−2 大人歌舞伎の館(←をクリックすると地図が出ます) 

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1597年に亡くなった甲斐宗摂を偲んで始まったもので、台本は上方歌舞伎と同じ。江戸時代大阪の台本も残っています。
練習風景を見学に行ったのですが、これが素晴らしかった!!
(注意! 再生すると結構大きな音が出ます!)
地元の方たちが毎晩集まって練習をしています。昔の衣装がまた素晴らしく、それを大事に扱って本番に備えます。
地方の文化は本当にすごい。守る人がいるから残っている。残したいほどの魅力があるから残っている。地方に残る歴史と伝統の力は、厚みがありますね。

衣装がまたすごかった!! 400年前のものも大事に保存されていて、その写真はまた明日!
お楽しみに!!




by akaboshi_tamiko | 2019-04-25 01:10 | ふるさと関連 | Trackback | Comments(0)

先週4月13日に宮崎へ帰ってきた。
NHK宮崎の番組収録のためである。

実は先月末、突然、腕と肩に激痛が走った。今までに経験のない痛みで、仕事もままならない。体はヨレヨレ…。そんな時にNHK宮崎出演依頼があったのだ。

メールでのやり取りには、後で読むとちゃんと書いてあったのだが、痛みのためにいろいろ読み飛ばし、考えもまとまらないまま宮崎へ向かった。

前日にはテレビ出演のための洋服でも買いに行きたかったのだが、激痛のために仕事も長引いていたし、買う暇もなく、普段着で出かけた。だって、、、カジュアルな服で、と言われてたのでね…

それに、私が呼ばれるんだったら、たくさんのゲストの中の一人だろうし、デスクの後ろに座って上半身くらいしか見えないだろうし、ま、いっか…と。

さて、13日昼頃、NHK宮崎へ到着。控室へ案内された。
「お着替えはこちらでどうぞ」
「あ、このままで出ます」
「えっ」

ヘアメイクの方にも
「お着換えは?」
「あ、このままです」
「えっ。……。………」

打ち合わせのあとスタジオへ行くと、メインキャスターのアナウンサーと、私が・・・
二人で画面の端と端に立って映るという、全身がテレビに映るという、大変なことになっていたのだ・・・
このヨレヨレの服で出るのか~~~…

聞いてないよ~~~、と言いたかったけれど、ちゃんとメールを読むとちゃんと書いてあった。痛みのバカ!! 痛みのおかげで読み飛ばしていたよ…

番組は「宮崎熱時間~平成からの伝言」。平成を振り返り、令和に向けてのいろいろな提言というもの。
内容はとても面白く、有意義だったので、ぜひ見て欲しい…んだけどね、私のヨレヨレカジュアルな服は無視してください。よろしく…。

ま、タイトルの「ヨレヨレ」は体と服の両方の意味なんだけどね。ほんと、ヨレヨレでしたわ…。

by akaboshi_tamiko | 2019-04-18 00:06 | ふるさと関連 | Trackback | Comments(2)

延岡の文化の底力

昨日の 第33回のべおか「第九」演奏会 を聴いて、いろんなことをおもった。

33回という回数に、まず驚く。しかも、100名を超える市民合唱団!

そして九州交響楽団の素晴らしい演奏!

公募で選ばれたソリストたちの深く澄んだ声!

人間の体はものすごくすぐれた楽器なんだ!と思わされたひと時だった。

しかし、首都圏から遠く離れた小さな地方都市で、なぜこんなにすごい、文化的レベルの高いイベントができるのか。

延岡には、文化の底力があるのだと思う。それはどんな人が支えているのか。

文化の担い手たちも高齢化している。私は今回初めて見たので100名を超える合唱団に感動したけれど、かつては400名、300名の頃もあったとか。

せっかく延岡には文化の担い手たちがいるのだから、もっと繋がるように、私も何かできないだろうか?

この項、ちょっと続くかも。

by akaboshi_tamiko | 2018-12-17 02:54 | ふるさと関連 | Trackback | Comments(0)

11月1日は「本の日」

11月1日は「本の日」とのこと。

起源を調べてみると、こんな説明があった。

全国各地の老舗書店で結成された「書店新風会」が制定。

日付は11と1で数字の1が本棚に本が並ぶ姿に見えることと、想像、創造の力は1冊の本から始まるとのメッセージが込められている。

読者に本との出会いの場である書店に足を運ぶきっかけの日としてもらうとともに、情操教育の一環としての「読書運動」の活性化が目的。記念日は2017年(平成29年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。


そして、11月1日は本屋へ行こう!というキャンペーンもあった。

こちらをクリック→本の日 公式サイト


最近は本を読まない大学生も増えている。読書って本当に楽しいことなのに、もったいないなあ。


ネット上のブログやネット記事を読むのも楽しいけれど、多くの人がかかわる本や雑誌(取材者、編集者、デスク、編集長、校閲の人)は、間違いをただす機会が多くある。


その分、校正、校閲の機会のない一人だけで書いているブログよりも、正しい日本語になりやすいし、間違いも少なくなる。


紙の本でも電子書籍でもいいし、出版社から出版された本を読むことは、間違いのない日本語のシャワーを浴びることで、それが思考力の基にもなると思う。


本屋さんに行くのは楽しみだったし、本当に恩を受けた本屋さんもある。

日本から、いや、世界中から本屋さんが減っていると聞くと、悲しくなるなあ…。



by akaboshi_tamiko | 2018-11-01 18:10 | ふるさと関連 | Trackback | Comments(0)

姉が50年以上前に書いた作文が、周りに大うけしてくれた。

実はこれ、去年の2月に、姉が自分のブログで発表していた。(写真なしで、誤字脱字を訂正した文章で)
やっぱりこの作文は、実際の古ぼけた原稿用紙と、誤字脱字をそのままにして載せるほうが味わい深い。

そして、姉はまたその続きをブログに書いている。

2017年 02月 21日

五歳年下の妹たみ子は、よく本を読む子だった。近所の本屋さんの常連(買うのではなく立ち読み)で、私達が立ち読みをしていると、おばあさんに追い払われていたが、妹は公認されていた。漫画をよく描いていた。何歳ごろだったかは覚えていないが、なかなか上手いなあと思ったことがある。


テレビドラマで「次郎物語」というのをやっていて、それを見ながら号泣していた。♪次郎 次郎 見てごらん 白鳥は 風に向かって 飛んでいく ♪というテーマソングと共に忘れられない。とても感受性の強い子供だった。

セーターやカーデガンを、ズボンの中に入れるというスタイルも、独特だった。特別の美的感覚と言うものがあったのだろうか。

英語はNHKの基礎英語で覚えたそうだ。テレビを録画して、毎日繰り返して見たそうだ。繰り返すということが大事なのだ。

それらのすべてが、現在の職業に繋がっているのだなと思う。


++++++++++++++


これも懐かしい…。

私の生まれ育った日之影町は、宮崎県北部、西臼杵郡というほとんどが山、という地域にある小さな町だ。人口も少ない。


そんな中、西臼杵郡の文化を守る、という高い理想を掲げた本屋さんがある。高橋書店である。

私の実家のすぐ二軒となりにあった。


昭和の子供たちは書店で立ち読みをしては書店のおじちゃんおばちゃんにハタキで追い払われていたのだが、私は保育園を中退して時間があったので、いつも書店で立ち読みを繰り返していた。


まだ本当に小さかったので、おじちゃんの足の間をすり抜けるようにして隠れて読んでいた。

あまりのしつこさにあきれ果てたおじちゃんが、ある日「またお前か、お前ならもういいわ」と言ってくれたのだ。


私の親もお礼はしたのかしなかったのか、今となってはわからないが、本当に本当に、どんなに感謝してもしきれないくらいの恩をこの書店からいただいた。


たくさんの本を読み、漫画を読み、私が漫画家になれたのも、この高橋書店のおかげだと思っている。

ありがたくてありがたくて、いつも思い出すと涙が出る。あんな山の中の田舎の子が、東京の子供とほとんどタイムラグなしに「火の鳥」を読めたなんて…。


書店のおばちゃんが長いこと病床に就いていたとき、「私が漫画家になれたのはおばちゃんのおかげよ、ありがとう」と言ったら、おばちゃんは涙を流して喜んでくれた。


それから…

今も私の家族の語り草になっているのが「セーターやカーディガンを、ズボンの中に入れるというスタイル」だ。


当時の私には服装に関する独自のルールがあって、その一つが、「上に着ている服は必ずズボンやスカートに入れなければならない」というものだった。


それは、当時の少女漫画誌で見た絵に影響を受けたせいかもしれない。

当時の漫画やファッション雑誌では、必ずスカートの中にブラウスが入っていたのだ。それを見た私は、それが正しい、それ以外はダメ、と思い込んだのかもしれない。


また、衣類が上にずり上がると不愉快で、違和感があった。だからブラウスやセーターやカーディガンを必ずズボンの中に入れなければ気が済まなかった。


着心地や肌触りに関して、少しでも違和感があると癇癪をおこしていたのだが、そんなことで違和感を持つということが大人には伝わらず、ただ癇癪(とんきろ)を起こしているだけだと思われていた。


服装や持ち物、布団の上げ下ろしなど、生活全般に関して、私には独自のルールがあった。

そのルールから外れた違和感、不快感から、とんきろを起こしていたので、「勝手屋さん」と思われていた。うーん、違うのに!! と、今になって思う。


勝手屋さんじゃないんだよ、違和感・不快感を伝えるすべがなかっただけなんだよ! と、大人になって冷静に思うけれど、子供のころは生きにくかったなあ…。


姉の作文からいろいろ思い起こして、懐かしやら、しみじみするやら。


姉の作文は「まるで朝ドラ見てるみたいでした!」という感想もいただいたけど、そこも含めて、私と本屋さんとの関係とか、朝ドラ向きのエピソードかも。


いつか、私が漫画化したいなあ…




by akaboshi_tamiko | 2018-07-21 18:00 | ふるさと関連 | Trackback | Comments(0)

姉の作文もいよいよラスト。昭和の家族の暮らしぶりがよくわかるとおほめの言葉をいただいた。

昨日までの3回で、母、父、たみ子(赤星家三女)、利枝(次女)のことが描かれた部分を紹介した。

今日は公代(姉本人、長女)のパートになる。自分自身の悪い点を反省を込めて書き、次にいい点を述べる。そして最後に家族愛でまとめる。

これはまさに先生の指導のたまもの。アドバイスを素直に受け入れて、素直に書いているのだと思う。姉の特質の一つが「素直」「人を疑わない」というところがあるのだが、それがいい具合に表れている文章だと思う。

自分のいい点で、お手伝いをちゃんとしているところをちょっと誇らしげに書いているのがほほえましい。(ねーちゃん、偉そうな意見ですんません)

確かに姉は小学校5~6年生のころから料理をし、家事全般をよくやっていた。私は当時、保育園を中退し、いつもゴロゴロし、起きているときは近所の本屋さんに入り浸っていただけだったのに、姉はよくごはんを作っていた。えらいなあ、昭和の子供は…。

最後に家族愛のことばで締めてあり、赤ペンの講評がちょっと泣かせるのだ…。


わたしの家族4
わたしの家族4 最終章 講評が泣かせる_b0019674_23233918.jpg
 さてこのようにして家族の一員としての自分はどうだろうと はんせいをかねて考えてみた。
 わたしの欠点はすこしなまけやさんということだ。気がむけば なんでも、いわれないうちにするのに、自分でしようと思わないことはするきがしないのだ。

 よい点は気のむいたことを、いわれないうちにすることと 自分のもののせんたくや かたずけをすることだ。しょうらいのゆめを、二十以上ももっているわたしだが おとなになって どれになろうかまよってしまう。

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 わたしはさすがに、長女だけあって、うちのことをだいぶ 手つだっている。六年もまえからきて、てつだってくれていたねえちゃんがおよめにいったので、その間 てつだいをしなければ ならなかった。時どき、母のかわりに夕はんを作るが、とくいな料理は、ライスカレー サラダ 魚のにつけ みそしる チキンライス やきめし なんでもしてしまう。

 わたしも妹のタミ子に まけない本ずきだが 読む間がなくてざんねんだ。
 いまの所とてもいそがしいので 夜のくるのが早く思われる。もうすこし 自由な、時間がほしい。
 だが、やはりわたしのやるべきことは、しなければならないのだがいやいやするのでなくすきでやるのだから あまりきついとは、思わない。
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 いそがしいことは きついけれど楽しいことだ。父も母も そう思っているだろう。

 わたしの家族は、ひじょうに 楽しく みんなが助けあっているので幸福である。
 これから、わたしたちが せい長しこの家族とわかれ 働きにいくかもしれない。そんなことがあってもけっしてわすれられないだろう。

講評
三十八年度 西臼杵郡文化祭 特選おめでとう。
◎赤星さんが日頃家族のことをよく見、よく協力していること、また、思ったこと、考えたことを書いていく態度が実を結んだのだと思います。
++++++++++++++++++

いやいや、なかなか読ませる作文だった。
講評が、赤インクのつけペンで書いてある。その文字が美しくて、昔の先生の字はきれいだったなあ…と思う。

姉は、身内の私が言うのもなんだが、文才があった。そのままのばせば、私よりも先にプロになったのかもしれない。
ただ、素直すぎて批評精神が少なかった、、、などと偉そうに言うけれど、のちに漫画家になった私と、姉との違いは、素直ではない私と、素直すぎる姉、の違いだったように思う。

姉は自分でも言っているが、気が向かないことはなかなかやらない。
気が向いたことはすぐやる。
まあ、それ、普通のことではあるのだが。

「気が向かないことはなかなかやらない」というのが、これまた50年以上経っても全く同じ。本当に、気が向かないことはまったくやらないのだ。

例えば眉毛の手入れとか。眉毛の手入れくらいやりなよ、と言うと、できない理由を次から次に出してきて、やらない。
新しいレシピをもらったらやってみる、というのはすぐにやるくせに、眉毛を手入れしない理由なら何十個も出してきてやらない。変わった人である。

ねーちゃんの性格を表すのにぴったりな言葉「ずそご」(または「ずぅそご」)というのは、面倒臭がり屋という意味だ。
好きなことはさっさと取り組むのに、ちょっとでも気が向かないことは徹底的にやらない。やればいいじゃん、と勧めても、持ち前の文才で「やらない言い訳」を延々と語り、やらない。ほんとに、そういう点にかけては「ずぅそご」だ。

さて、4回に分けてご紹介した作文だが、私のFBの友達はみんな感動して読んでくれた。ありがたい。
家族のありようとか、昔の暮らしとか、何かちょっとでも心に残ってくれたら嬉しいです。


by akaboshi_tamiko | 2018-07-20 18:07 | ふるさと関連 | Trackback | Comments(2)